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独立式 連動式

 

連動式短前ストレート打ちは、後足側の手(や腕や肩)を前方の標的に当てる連動式ストレート打ちです。
連動式長前ストレート打ちよりも到達距離が短いので「短」としました。
これは、AFS流派の空手で「逆突き」と呼ばれている技、ボクシングで「オースドックス立ちで打つ右ストレート」と呼ばれている技や「サウスポー立ちで打つ左ストレート」と呼ばれている技に相当します。

連動式短前ストレート打ちは、打撃系格闘技の攻撃技の中で最も代表的な技です。

AFS基本姿勢から、両足接地のまま重心移動せず足と胴の向きを変える純粋に回転性の連動を行なう。
重心移動 回転の中心が重心とは異なるので、若干の重心移動は有る。
足の移動 前足は全面接地のまま不動。
後足は中指中足趾節関節の位置が不動。
足腰の転向 前足は向きも変えない。
後足はカカトを地面から離して中指中足趾節関節を中心に少し回転させる。
腰の回転は骨盤の前足側端付近を中心とする水平回転。
上体よじり 腰に相対的に、肩を水平回転させる

連動の概略は以下です。(右手や右腕や右肩を敵に当てる場合)
始状態(AFS基本姿勢) 終状態



x座標 y座標 z座標
前脚大腿骨上外端 -0.34スネ -0.19スネ 0.44身長
後脚大腿骨上外端 0.31スネ -0.34スネ 0.45身長


x座標 y座標 z座標
前脚大腿骨上外端 -0.34スネ -0.18スネ 0.45身長
後脚大腿骨上外端 0.36スネ -0.14スネ 0.45身長













左手・腕の配置は、右手・腕のエッヂ選択によって異なる。

エッヂとして正拳を選択し敵の上段を打つ場合は、 右手を右肩の前に置き、右上腕は脇腹に沿う(肘が肩の真下より少しだけ後ろに位置する)ようにし、右肘は力を入れない範囲内で出来るだけ曲げます。
連動式短前ストレート打ちの始状態では右正拳の位置は、肩よりも少し下です。
アゴを右拳でガードしている状態から打とうとしても、実際には無意識のうちに、まず拳を下に移動してから、その後で打つ動作に入るのが普通だろう。
意識的に敢えて拳をアゴの位置から直線的に標的まで移動させる打ち方をする事は出来るが、威力発生上はそれは最善の動きではない、と体感します。

エッヂとして正拳を選択し敵の中段を打つ場合は、 右上腕をインパクトの瞬間の向きと直交する向きまで引き、右正拳が丁度標的の方に向く角度に肘を曲げます。
この時に、右手首を曲げない(前腕と正拳が直線状に並ぶ)ようにする。

この他に、右肘をほとんど曲げずに右腕をダラリと右肩の真下に垂らす選択も検討してみたい(ストレート前蹴りのやり方)。

エッヂとして肘刀・肘頂を選択した場合は、エッヂとして正拳を選択した場合よりも左肘を大きく曲げ、左肘刀を敵に向け左手背槌を顔に着け、右手は拳に握って、その拳でアゴをガードします。

エッヂとして肩前面・肩前頂を選択した場合は、両手を拳に握って、右拳で下腹をガードすると同時に、左拳でアゴをガードする。

エッヂとして正拳を選択した場合は、独立式縦拳長前ストレート打ちがヒットした瞬間を想定しています。
独立式縦拳短前ストレート打ちや連動式長前ストレート打ちの終状態を始状態として連動式短前ストレート打ちを実行する事も出来ます。
独立式縦拳短前ストレート打ちの終状態を始状態として連動式短前ストレート打ちを実行すれば、独立式縦拳短前ストレート打ちが標的に届かなかった場合とか、独立式縦拳短前ストレート打ちで弾かれ遠退いた標的へ、追撃として連動式短前ストレート打ちを使う事が出来ます。
その場合、独立式縦拳短前ストレート打ちの終状態から一旦少しだけ肘を曲げて貯めを作る事も可能です。
連動式長前ストレート打ちの終状態を始状態として連動式短前ストレート打ちを実行すれば、ワンツー・パンチに成ります。
しかし、私が基本のワンツー・パンチに選んだ技は、これとは別です。
私は、基本のワンツー・パンチを(1)長前(2)短前とするのではなく(1)短前(2)長前とする事にしました。

エッヂとして肘を選択した場合は、独立式肘刀長前ストレート打ちがヒットした瞬間を想定しています。

連動式短前ストレート打ちの崩したやり方として、フォアハンド打ちの始状態(敵に対して真半身)を起点にして連動式短前ストレート打ちを実行すれば、ストロークを増やす事が出来ます。
インパクトの瞬間にも後足のカカトを地面に着けておきたいけど、膝や足首の関節に無理な力が掛かるのを防ぐ為に、それは断念しました。
20才頃の私は、インパクトの瞬間に後足のカカトを地面に着けたままでした。
それは、地面と標的の間に自分がジャッキの様に入る事にこだわっていたからです。

後脚を内にひねり過ぎない様に注意する。
極めの瞬間の後足の爪先の向きは、前足の爪先の向きと同じです。
後脚の膝を仮想的にさらに屈した場合に膝が標的に向かって出る様な向きまでなら内に向けても良いが、それ以上はひねらない事にしました。

無意識にやると、こう成りがちです。
2015年、私がこう成ってしまっていた時期に、その事をからかう表現を目にしました。
フォアハンド打ちなら、これでも良いんだけど、ストレート打ちでは駄目です。
ゴルフのスイングでは足爪先の向きがこういう風に成っていますが、ゴルフでは標的から受ける反作用で体勢を崩す心配が無い。
後足を正しい向きにするためには、後足が床を押す力が真後ろを向く様に心がけるのが有効だと思われます。

正拳、肘、肩のいずれをエッヂとして選択した場合にも、左拳でアゴをガードする。
エッヂとして肩を選択した場合は、両手の配置は始状態と同じです。

体軸を敵に向かって追加で倒す(体軸の傾きを増加させる)事によって、リーチ(到達距離)を増やす事が出来ます。
 
これをやると、重心が前に移動するので、攻撃腕を敵につかまれて引っ張られた場合に危険です。
しかし、自分の攻撃が命中した場合には、標的から受ける反作用を計算に入れると、重心が前に移動している方が好都合です。
実際には、ボクシングの試合などでの連動式短前ストレート打ちのクリーン・ヒットの瞬間には打者は体軸を敵に向かって追加で倒している場合がほとんどです。
これは、敵が回避運動をするせいで、打者が予定していたインパクト位置で予定通りにインパクトする事なんて実際にはほとんど無理だからです。
反撃が怖くて出来るだけ敵に近寄りたくない、というヘッピリゴシ心理が原因である場合も有るでしょう。
これは、BFSに比べてAFSが技として実戦で不利な点です。
体軸を敵に向かって倒す事によって増やされたリーチは、過負荷によって達成されたリーチだ、と考える事にします。

長い間私は連動回転の中心は左股関節だと思っていたが、本当にそうかどうかはハッキリとは分からなかった。
2024月03月に骨盤の位置を何回か測定してみて、やはりそうであるようだ、という事が分かりました。

細線が終状態での骨盤の位置、太線が始状態(AFS基本姿勢)での骨盤の位置です。
細線は測定3回分(3本)記入してあります。
冒頭の足腰図は、始状態の骨盤の左端と終状態の骨盤の左端が一致するように描かれています。

到達時間(起動からインパクトまでの時間) 上段 0.27秒
中の中段
中の下段
周期(起動から始状態に戻るまでの時間) 上段 0.54秒
中の中段
中の下段

リーチについて、実測によって以下の結果を得ました。
エッヂ 正拳 肘頂 肩前頂
標的と成る敵の身体部位 アゴ みぞおち 肋骨前足側下端 下腹 前足側
上腕 
天突
(胸骨)
前面 側面 前部 側面
高さ(z座標) 0.77身長 0.78身長 0.59身長 0.56身長 0.54身長 0.46身長 0.69身長 0.72身長
エッヂの到達位置のx座標 0 0 0 0.21スネ 0 0 0.29スネ 0.38スネ
エッヂの到達位置のy座標 1.28スネ 1.28スネ 1.24スネ 1.21スネ 1.13スネ 0.96スネ 0.65スネ 0.04スネ
標的の最適位置のy座標 1.22スネ 1.22スネ 1.14スネ 1.11スネ 1.07スネ 0.86スネ 0.59スネ -0.02スネ
標的の最適位置の方位角 0 0 0 10度 0 0 26度 90度
前線間距離 敵=AFS基本姿勢 0.22スネ - -0.02スネ -0.18スネ - -0.36スネ -0.36スネ -1.13スネ
敵=AFS真半身姿勢 - -0.10スネ - - -0.25スネ - -0.52スネ -
「スネ」は長さの尺度@デザイン方法論で定義されています。
「座標」「方位角」「前線間距離」の定義はAFS基本姿勢@AFS用@液態用@姿勢に書かれています。
技をシュバッと勢い良く実行して途中の最大値を測定するのではなく終状態で静止したままに成り測定しました(無勢測定)。
体軸の傾きをAFS基本姿勢と同じに保って測定しました(追加で傾けてリーチを伸ばす事はしなかった)。
標的の最適位置としては、身体の表面の該当箇所の位置を表示しています。
標的の最適位置の数値が表すのは、エッヂが到達すべき身体内部の弱点の位置ではありません。
身体の表面の該当箇所が標的の最適位置の数値の位置にあればエッヂが身体内部の弱点に到達する、という意味です。
標的がアゴや肋骨といった硬部であれば、(標的の最適位置のy座標) = (エッヂの到達位置のy座標) - 0.06スネ(0.50コブシ)、
標的が胴腹の無肋骨部分のような軟部であれば、(標的の最適位置のy座標) = (エッヂの到達位置のy座標) - 0.10スネ(0.80コブシ)、
と判断しました。
「コブシ」は長さの尺度@デザイン方法論で定義されています。
肋骨前足側下端前部は軟部、肋骨前足側下端側面は硬部だ、としました。
敵の肋骨前足側下端前部を正拳で打つ場合の測定結果は、敵がAFS基本姿勢で、敵の前足も自分の前足もどちらも左足であるか、または敵の前足も自分の前足もどちらも右足で、かつ、敵のy軸と自分のy軸が重なっている場合についてです。
アゴと肋骨前足側下端を打つ場合については、敵がAFS基本姿勢の場合は前面や前部を打ち、敵がAFS真半身姿勢の場合は側面を打つ場合を想定しました。
エッヂ=正拳で、敵がAFS真半身姿勢の場合は、敵の前足=左足の場合と敵の前足=右足の場合を一括して扱うために標的位置は自分の座標系でx=0だとしました。
これは、敵のy軸と自分のy軸が重なっていない状況です。
本当は敵のy軸と自分のy軸が重なっている場合を測定したかったが、それでは、敵の前足が左足の場合と右足の場合の両方を別々に測定する事に成り表の列数が増えてしまうので、それはしませんでした。
AFS基本姿勢よりもAFS真半身姿勢の方が少し腰が低いせいで、連動式肘頂短前ストレート打ちの肘頂の高さはAFS真半身姿勢の敵の肩の高さに成ってしまうので、AFS真半身姿勢の敵の前足側上腕を肘頂で打つ場合としては、前足側肩側面を打つ場合を考えました。
連動式正拳短前ストレート打ちでアゴを打つ場合の方が独立式縦正拳短ストレート打ちでノドを打つよりも前線間距離が約0.52スネも大きいので、連動式正拳短前ストレート打ちで敵のアゴを打とうとしたが敵が近寄り過ぎて打てなく成った時には、即座に独立式縦正拳短ストレート打ちに切り替えて敵のノドを打てばよい。
独立式縦正拳長ストレート打ちで敵のノドを打つ場合と、連動式正拳短前ストレート打ちで敵の肋骨前足側下端前部を打つ場合で、前線間距離がほとんど同じなので、両者を同じ足位置で打つ事が出来る。

エッヂ 評価 説明
強度 前腕ひねり 総合
貫手 × × 貫手は、前腕をひねりながら使うのではなく、前腕の捩れをゼロに保ったまま使うのに向いているだろう。
貫手のエッヂ強度は小さいのに対して、連動式短前ストレート打ちは大威力を発生させる為の打ち方なので、貫手は連動式短前ストレート打ちには、あまり向かない。
貫手には連動式短前ストレート打ちは大袈裟な打ち方だ、という事です。
しかし、連動式貫手短前ストレート打ちに代用する同じリーチの技が他に無いので、連動式貫手短前ストレート打ちも選択肢として残しておく必要が有る。
平拳 × 貫手についてと同様です。
平拳で敵のノドを打つなら、やや下から上に向かって打った方がよいだろうから、平拳には、連動式短前ストレート打ちよりも、独立式覆拳ストレート打ちの方が向いているだろう。
連動式平拳短前ストレート打ちでは、平拳がノドを水平に打つ事に成る。
それでは敵のアゴが邪魔に成る、という欠点も有る。
正拳 推奨 文句なし。
中高1本拳 標的に接触する中指関節が、ほぼ前腕ひねり運動の軸上にある点は、連動式短前ストレート打ちに向いているが、エッヂ強度が大きくない点は、大威力を発生させる為の打ち方である連動式短前ストレート打ちには向いていない。
しかし、連動式中高1本拳短前ストレート打ちに代用する同じリーチの技が他に無いので、連動式中高1本拳短前ストレート打ちも選択肢として残しておく必要が有る。
人差指1本拳 × × 標的に接触する人差指関節が前腕ひねり運動の軸上に無いので、連動式短前ストレート打ちに向かない。
エッヂ強度が大きくないので、連動式短前ストレート打ちに向かない。
人差指1本拳は、インパクトの瞬間に手の甲が地面に垂直に成っている様に当てるのが普通だから、この点も、連動式短前ストレート打ちに向かない。
また、中高1本拳で代用する事が出来るから、無理に人差指1本拳を使う必要が無い。
刀峰 × エッヂ強度に不安は残るが、貫手よりはエッヂ強度は大きいだろう。
それ以外の点は貫手についてと同様です。
掌底 × エッヂ強度は十分なので、その点は、大威力を発生させる為の打ち方である連動式短前ストレート打ちに向いているが、例えば、敵のアゴを連動式掌底短前ストレート打ちで打とうとすると、自分の手指が邪魔に成るだろう。
また、掌底は、前腕をひねりながら使うのではなく、前腕の捩れをゼロに保ったまま使うのに向いているだろう。
したがって、リーチの都合で仕方なく掌底を使う場合は、連動式短前ストレート打ちの前腕ひねり無し版を実行すべきだろう。
肘刀肘頂 - 推奨 文句なし。
肩前面肩前頂 - 力学的には十分に成り立つ問題の無い技だが、実戦でどの様に役に立つかは分からない。
打てる標的の位置が限定され過ぎる、ヘッド・スピードが小さ過ぎる、といった欠点が有る。
敵の胸骨上端の天突を肩前頂で打てるのではないか。

エッヂ ガード
前足側の腕 後足側の腕
肩前面、肩前頂 逆側片目ガード
(逆側頬ガードは標的に当たって邪魔に成る)
金的ガード




日時 場所 大会 階級
(定義)
時間割 当事者(名前/身長/体重/前足) 防具 ラウンド タイミング エッヂ 被撃部位 入射角度 直前事・
被撃姿勢
注釈
撃者 被撃者
K.O. 2018年10月07日(日本) 横浜アリーナ WBSSバンタム級1回戦 井上尚弥/53.5kg/左足 Juan Carlos Payano/53.2kg/右足 ボクシング・グローブ 1 残2:01 右正拳 顔正面 芯をとらえる向き 右ジャブへのカウンター左ジャブをワンとするワンツー ヒット直後拳は下方に反射
2015年12月20日(日本) 東京・ディファ有明 DEEP 74 IMPACT バンタム級 5分×2R 大越崇弘/kg/左足 やますドミネーターさとし/kg/左足 オープンフィンガー・グローブ 1 3:27 右正拳 左頬 顔を右に向かせる当たり方 やますドミネーターさとし右ストレート 判定は右フックと表示された
2012年11月11日(日本) 後楽園ホール プロフェッショナル修斗・環太平洋ライト級チャンピオン決定戦・第2試合 ミドル級(83.9kg以下) 5分×2R ジャイアン貴裕/175cm/76.0kg/左足 瀬戸哲男/cm/kg/左足 開指手袋 1 1:18 右正拳 アゴ左側面 顔を右に向かせる当たり方 ジャイアンの左フック?がヒット。続いて瀬戸のワンツーが空振り。 ジャイアンのワンツーと瀬戸のワンツーが交錯し瀬戸はフック、ジャイアンはストレートでリーチ差が勝敗を分けたように見える。
有効 2015年12月20日(日本) 東京・ディファ有明 DEEP 74 IMPACT バンタム級 5分×3R 遠藤大翼/kg/左足 ROY/kg/左足 開指手袋 3 2分12秒 右正拳 アゴ左側面 首に近いライン ROY左腕低い ROYが空手の上げ受けするチャンス
2018年04月15日 横浜アリーナ WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦 村田諒太/72.5kg/左足 Emanuele Blandamura/72.3kg/左足 ボクシング・グローブ 1 残0:11 右正拳 腹部中央左 芯をとらえる向き 村田左ジャブ。ブランダムラ背後ロープ 効果不明だがブランダムラくの字
ヒット無効
空振り 2015年10月17日(日本) 後楽園ホール DEEP 73 IMPACT バンタム級
(61.2kg以下)
5分×2R 安部路人/kg/右足 高野優樹/kg/左足 開指手袋 1 4:53 左正拳 顔面 高野の左頬をかすめる 高野静止。安部前進ステップのみ。 高野は右へのヘッドスリップと同時にスネ膝で安部の胴をブロック。
チャンス


AFS@基本技@活動報告

正拳上段逆ストレートAFS(2015年07月02日撮影分)@単発AFS@空手の技@動画

正拳ストレート打ち(サンドバッグ)2022年04月03日撮影分@空手の技@動画



最終更新2024年10月17日