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 BFSのイメージ
 

コンタクトとロッキングの完成は同時だ。
詳しくは、触れ始めにはロッキングが未完成で、そこから応力が最大に成るまで標的に拳をねじ込む様にロッキングを完成させる。
と言っても、接触開始からロッキング完成までの時間はパシッ程度の一瞬だ。
私は、ロッキングを完成させた後で接触するのが正しいのか、接触開始後にロッキングを完成させるのが正しいのか、長い間、どちらなのか分からなかった。
インターネットの掲示板で質問すると、後者だと教えられたが、半信半疑だった。
2015年にサンドバッグを実打してみて、接触開始後にロッキングを完成させるのが正しい事に、自分でも実感納得した。
考えてみると、AFSの胴体の回転運動を並進運動に置き換えた物がBFSだ、と考えれば、腕の伸展はAFSとBFSで共通なはずだと分かる。
AFSでは腕が伸び切る前に接触開始するので、BFSでもそうだ、という事に成る。
力が掛かった状態で関節の角度を変化させると、肘や肩の関節がグジグジッと成る事を懸念したが、実打してみると、特にそういう不安は感じなかった。


私は、高校時代、AFS系の空手の指導書を見て、自分で練習していた。
その頃に、中国拳法の本で、北派拳法は跳躍を多用する、と書かれていたが、AFS系の空手の中にそれを見出そうとして、すっきりしなかった。
大学で空手部に入部して、そこで初めてBFSを習ったが、理解できなかった。
先輩のBFSを見て、AFSの固定観念を捨て切れなかったその頃の私が考えていたのは、空中フレキシングであった。
実際には出来なかったが、空中フレキシングでBFS×AFSを達成できないものか、という事を考えていた。
そのため、当時の私の動きは、BFS用のステップの着地後にAFS、みたいな変なものに成っていた、と考えられる。
前足が突きの威力を殺している、という風に先輩から何度も指摘され、指導を受けながら改善しようとしたが、BFS概念を持っていなかったために、出来る様に成らなかった。
高岡英夫風に言うならば、当時の私が陥っていたのは、
何が何でもフレキシング、という固定観念だった。
空手部には1年生の前半の半年ほどしか在籍しなかった。
その後、3年生の頃だったか、弟から
高岡英夫著「空手・合気・少林寺」を薦められて、これによって初めてBFS概念を知った。
これによって、BFSにフレキシングを入れる、という考えを、やっと捨てる事が出来た。
今では、スピードの直列つなぎは可能だが力の直列つなぎは不可能だ、という観点から、BFSにフレキシングを入れてはいけない事を、今の私は、理解している。
入れようにも、空中フレキシングは、原理的に無理だったが。
フレキシングするためには床からトルクを摂る必要があるので、空中ではフレキシングできない。
当時の私も、そこまでは思い至っていたので、葛藤が生じた。
大学1年生の頃、空中フレキシングを考えたのは、威力の最大化以外に、自分のBFSでは自分が相手の射程内に入ると同時に自分の突きが相手に当たる、のに対して、自分のAFSでは自分が相手の射程内に入った時に自分がAFSを開始するので、その自分のAFSの開始の瞬間に当たる様に相手がカウンター(実際には難度の観点から無理かもしれないが)を実施すれば自分が負ける、と思い、空中フレキシングでAFSのその欠点が解消される、と思ったからでもある。
AFSも重心移動を考慮に入れれば、必ずしもそうではなく、ステップインの終了時に後屈立ちの様な姿勢で重心を後ろに残しておき、そこからフレキシングしながら重心を前に移動させて行けば、相手が自分に当てる事が出来る瞬間には自分も相手に当てる事が出来る様にする事が可能だが、ステップインの終了時に後屈というのは不自然な動きだ。


実例 2016年02月07日WSOF-GC2, Laurence Digulio vs Yusaku Nakamura R1残4:23, R1残4:06, R1残3:13, R1残0:08頃, R2残2:18 順BFS


高校生時代に中国拳法の色々な本に接触部位を以下の形にする事が書かれているのを見た。
 
拳の代わりに片手剣が書かれている場合も有りました。
高校生当時の私は、液態しか想定しなかったので、これが理解できませんでした。
気態で考えると、良おおおく分かります。
拳は敵にめり込むので、拳と足の両方が敵に接触する事でしょう。
全速力で走り込んで来る敵に、これをカウンターで当てると、効果的だろう。


最終更新2022年03月11日