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独立式 連動式



独立式覆拳ストレート打ちは、前方の標的に覆拳を当てる独立式ストレート打ちです。
独立式覆拳ストレート打ちでは、どのエッヂを使う場合も、腕背刀(橈骨)を外(右腕なら右、左腕なら左)に、腕刀(尺骨)を内(右腕なら左、左腕なら右)に向けます。
そのうちで前足側の手を当てる物を「独立式覆拳長ストレート打ち」または「独立式覆拳長前ストレート打ち」と呼び、後足側の手を当てる物を「独立式覆拳短ストレート打ち」または「独立式覆拳短前ストレート打ち」と呼ぶ事にします。
到達距離(リーチ)が長い方を「長」とし、到達距離が短い方を「短」としました。
覆拳ストレート打ちは、ボクシングで「アッパー・カット」と呼ばれている技や、AFS流派の空手で「下突き」と呼ばれている技に相当します。
中段を打つ場合には「アッパー・カット」と言いたくないし、上段を打つ場合には「下突き」と言いたくないので私は、中段を打つ場合でも上段を打つ場合でも使える「覆拳打ち」という言葉を作りました。
ただし、ボクシングのアッパー・カットやAFS流派空手の下突きは、独立式ではなく連動式である様です。

独立式覆拳ストレート打ちは、独立式ストレート打ちだから、最初から最後まで姿勢を変化させません。
独立式覆拳ストレート打ちでは、姿勢としてはAFS基本姿勢を使います。
しかし、貫手で敵の目を打つ場合や、平拳で敵のノドを打つ場合には、軽く当てるだけで十分な効果を出せるので、しっかりした土台に成る姿勢で打つ必要は無く、任意の姿勢で打つ事が出来ます。
例えば、自分の首を敵が両手で締めている状態では、独立式覆拳ストレート打ちを使えば、貫手で敵の目を打ったり、平拳で敵のノドを打って一発逆転を狙う事が出来ます。

手と腕の動きの概略は以下です。(前足=左足、後足=右足の場合)
始状態 終状態
2
+
2


長打ち
1
+
3


短打ち

長打ち
短打ち

長打ち
短打ち
4


長打ち
短打ち

長打ち
短打ち



連動式では肩も移動するが独立式では肩は不動なので、独立式では、始状態で肘を連動式の場合よりも後ろまで引いておかないと、ストロークの長さに不足を感じる。
しかし、寸勁(すんけい)の様にしてもよい。

標的に当てる手の側の肘は直角に曲げておく事にしようかと思っている。
独立式縦拳ストレート打ちでは動きに鉄槌(手槌)打ちの様な成分が少しぐらい入っていても許せるが、独立式覆拳ストレート打ちでは、それが嫌なので、ストロークの序盤がすくう様な動きに成る角度に肘を曲げておこう、と思っている。

貫手で敵の目を打つ場合だけ、始状態が異なります。
これは、スプリット貫手で敵の目を打つ場合だけ、ストロークの後半を、極真空手で裏拳顔面打ちと呼ばれている技の様な動きにするからです。

覆正拳中段打ちでは、始状態を連動式正拳前ストレート打ちと同じ(縦拳)にし、始状態から終状態への移行では連動式正拳前ストレート打ちとは逆の向きに前腕をひねる、というやり方も考えられる。

エッヂ=掌底では、手の位置が低過ぎると、小指がズボンのポケットに引っ掛かる。
上掲の写真では手が低過ぎるかも。

標的に当てない方の手・腕の配置は、任意(自由)です。
標的に当てる方の手・腕を身体の他の部分とは独立に動かすのが独立式ストレート打ちだからです。
標的に当てない方の手・腕は、ガード形に配置してもよいし、打ち技の準備完了形に配置してもよい。

エッヂ 標的
2+2本貫手 両目(敵の前足=左足)
1+3本貫手 両目(敵の前足=左足)
平拳 ノド
正拳 みぞおち、肋骨前足側下端
4本貫手 肋骨前足側下端と骨盤の隙間
掌底 中の下段。
ローブローやタックルの頭に当てれないか

標的に当てる方の手・腕の側の肘を完全には伸び切らせない。

覆正拳中段打ちでは、手の甲を完全に真下に向けるのではなく、少しだけ外に向ける方が最適角だろう。
これは、古典的な空手の正拳突きの動作の序盤の前腕のネジレ角です。


スプリット貫手で敵の目を打つ場合には、手首を反らせ(背屈す)れば、敵と自分の距離が小さくても対応できます。

標的に当てない方の手・腕の配置は任意(自由)です。
始状態と同じでもよい。

正拳で敵のアゴを打ち上げる事は、独立式覆拳ストレート打ちではなく、フック 打ち上げで行なう事にしました。

長い間わたしはボクシングのアッパー打ちの定義を知らなかった。
地面にほぼ垂直な平面内で腕を振るフック 打ち上げの事を長い間わたしはアッパー打ちだと思っていた。
それをからかっているらしい表現を何度か目にした事が有り、それによって、フックは縦に振ってもフックでありアッパー打ちとは違うらしい、という事に気付いた。
現時点では、独立式覆拳ストレート打ちがアッパー打ちだ、と私は考えるに至っている。
フック打ちは肘関節の角度を一定に保ったまま振り回すがアッパー打ちは肘を伸ばしながら行なう、というのが両者の違いだろう。

到達時間(起動からインパクトまでの時間) スプリット貫手・両目・長打ち 0.28秒
スプリット貫手・両目・短打ち 0.25秒
平拳・ノド・長打ち 0.16秒
平拳・ノド・短打ち 0.16秒
正拳・中の中段・長打ち 0.16秒
4本貫手・中の中段・長打ち 0.16秒
正拳・中の中段・短打ち 0.14秒
4本貫手・中の中段・短打ち 0.15秒
掌底・中の下段・長打ち 0.12秒
掌底・中の下段・短打ち 0.12秒
周期(起動から始状態に戻るまでの時間) 平拳・ノド・長打ち 0.32秒
平拳・ノド・短打ち 0.30秒
正拳・中の中段・長打ち 0.31秒
4本貫手・中の中段・長打ち 0.30秒
正拳・中の中段・短打ち 0.26秒
4本貫手・中の中段・短打ち 0.28秒
掌底・中の下段・長打ち 0.28秒
掌底・中の下段・短打ち 0.28秒

リーチについて、実測によって以下の結果を得ました。
独立式覆拳長ストレート打ち
エッヂ スプリット貫手 平拳 正拳 4本貫手
標的と成る敵の身体部位 両目 ノド みぞおち 肋骨前足側下端
高さ(z座標) 0.85身長 0.76身長 0.59身長 0.56身長 0.54身長 0.56身長 0.54身長
エッヂの到達位置のx座標 -0.02±0.06スネ 0 0 -0.21スネ -0.23スネ -0.21スネ -0.23スネ
エッヂの到達位置のy座標 0.99スネ 1.03スネ 0.86スネ 0.91スネ 同左 1.06スネ 同左
標的の最適位置のy座標 0.93スネ 0.93スネ 0.76スネ 0.81スネ 同左 0.96スネ 同左
標的の最適位置の方位角 -1±3度 0 0 -14度 同左 -12度 同左
前線間距離 敵=AFS基本姿勢 0.0スネ -0.16スネ -0.40スネ -0.48スネ
(不可)
- -0.33スネ
(不可)
-
敵=AFS真半身姿勢 - - - - -0.51スネ - -0.36スネ

独立式覆拳短ストレート打ち
エッヂ スプリット貫手 平拳 正拳 4本貫手
標的と成る敵の身体部位 両目 ノド みぞおち 肋骨前足側下端
高さ(z座標) 0.85身長 0.76身長 0.59身長 0.56身長 0.54身長 0.56身長 0.54身長
エッヂの到達位置のx座標 -0.02±0.06スネ 0 0 0.21スネ 0.23スネ 0.21スネ 0.23スネ
エッヂの到達位置のy座標 0.87スネ 0.91スネ 0.63スネ 0.74スネ 同左 0.90スネ 同左
標的の最適位置のy座標 0.81スネ 0.81スネ 0.53スネ 0.64スネ 同左 0.80スネ 同左
標的の最適位置の方位角 -1.5±3.5度 0 0 18度 同左 14度 同左
前線間距離 敵=AFS基本姿勢 -0.12スネ -0.28スネ -0.63スネ -0.65スネ - -0.49スネ -
敵=AFS真半身姿勢 - - - - -0.68スネ - -0.52スネ
「スネ」は長さの尺度@デザイン方法論で定義されています。
「座標」「方位角」「前線間距離」の定義はAFS基本姿勢@AFS用@液態用@姿勢に書かれています。
技をシュバッと勢い良く実行して途中の最大値を測定するのではなく終状態で静止したままに成り測定しました(無勢測定)。
姿勢をAFS基本姿勢に保って測定しました(体軸を追加で傾けてリーチを伸ばす事はしなかった)。
標的の最適位置としては、身体の表面の該当箇所の位置を表示しています。
標的の最適位置の数値が表すのは、エッヂが到達すべき身体内部の弱点の位置ではありません。
身体の表面の該当箇所が標的の最適位置の数値の位置にあればエッヂが身体内部の弱点に到達する、という意味です。
標的がアゴや肋骨といった硬部であれば、(標的の最適位置のy座標) = (エッヂの到達位置のy座標) - 0.06スネ(0.50コブシ)、
標的が胴腹の無肋骨部分のような軟部であれば、(標的の最適位置のy座標) = (エッヂの到達位置のy座標) - 0.10スネ(0.80コブシ)、
と判断しました。
「コブシ」は長さの尺度@デザイン方法論で定義されています。
目は硬部だ、ノド、みぞおち、肋骨前足側下端は軟部だとしました。
目は柔らかいけれど軽く当たっただけで効果が出るので硬部扱い、肋骨前足側下端は軟骨なので軟部扱いとしました。

敵の肋骨前足側下端を独立式覆拳長ストレート打ちする場合の測定結果は、敵の前足=右足だが自分の前足=左足であるか、または敵の前足=左足だが自分の前足=右足で、かつ、敵のy軸と自分のy軸が重なっている場合についてです。
敵の肋骨前足側下端を独立式覆拳短ストレート打ちする場合の測定結果は、敵の前足も自分の前足も左足であるか、または敵の前足も自分の前足も右足で、かつ、敵のy軸と自分のy軸が重なっている場合についてです。
覆4本貫手では、敵の肋骨前足側下端と骨盤の隙間を打つが、この位置は肋骨前足側下端の位置と同じだ、と考えます。
敵の肋骨前足側下端を独立式覆拳ストレート打ちする場合、敵がAFS基本姿勢ならば肋骨前足側下端前部を、敵がAFS真半身姿勢ならば肋骨前足側下端側面を打つものとしました。
敵の肋骨前足側下端を独立式覆拳ストレート打ちする場合については、敵=AFS基本姿勢でも敵=AFS真半身姿勢でも、z座標とx座標がほとんど同じなので、敵=AFS基本姿勢の場合だけを測定し、敵=AFS真半身姿勢の場合も結果は同じ(違い≦測定誤差)だ、としました。
肋骨前足側下端を打つ場合以外は、全て敵がAFS基本姿勢である場合を想定しています。
AFS基本姿勢の敵の肋骨前足側下端を独立式覆拳長ストレート打ちで打つ場合、前線間距離<0だから、敵の前足を自分が踏んで打つ必要が有りますが、前線間距離の絶対値が0.48スネ、0.33スネと大きい為に、私の爪先が敵の足首に当たってしまい足の配置が不可能である事が分かります。
1スネは靴の表記サイズの約2倍だから、0.33スネは靴の表記サイズの約0.66倍(66%)です。
敵の肋骨前足側下端を独立式覆拳ストレート打ちする場合、正拳で長打ちするのと4本貫手で短打ちするのとで、前線間距離がほとんど同じだ、と分かります。

エッヂ 評価 説明
強度 前腕ひねり 総合
2+2本貫手 長打ちなら、私も敵も前足=左足か、私も敵も前足=右足の場合に適している。
短打ちなら、私の前足=左足だが敵の前足=右足か、または、私の前足=右足だが敵の前足=左足の場合に適している。
1+3本貫手 敵の両目が私のx軸に平行に並んでいる場合に適している。
平拳 ノドを打ってどう成った、という実績は無い。
正拳 覆正拳は、みぞおちを打つ場合も、肋骨前足側下端を打つ場合も、指背が肋骨に当たってしまい、その分だけナックル・パートが標的にしっかり当たらない。
4本貫手 脇腹の肋骨下端と骨盤の隙間にめり込ませたいが、敵が脱力している時でないと出来ないかも。
めり込ませた後、相撲の回しをつかむ要領で肋骨下端をつかむ事が出来ないだろうか。
掌底 敵のロー・ブローや組み付きタックルの頭に当てる事は出来ないだろうか。



日時 場所 大会 階級(定義) 時間割 当事者(名前/身長/体重/前足) 防具 ラウンド タイミング エッヂ 被撃部位 入射角度 直前事・
被撃姿勢
注釈
撃者 被撃者
K.O. 1975年11月01日or02日(日本) 東京体育館 第1回全世界空手道選手権大会 二宮城光/cm/kg/左足 ウォン・チュン・ミン/cm/kg/?足 なし 最後 左正拳 腹部 正面から下突き ウォン・チュン・ミンが正面から接近して来た所を迎撃
有効
ヒット無効
空振り
チャンス不実行



最終更新2024年09月25日