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フック打ちは、エッヂとしてフックを使うフォアハンド打ちです。
エッヂとしてフックを使う水平フォアハンド打ち = 水平フック打ち、
エッヂとしてフックを使う斜めフォアハンド打ち = 斜めフック打ち、
エッヂとしてフックを使うフォアハンド打ち上げ = フック打ち上げ。
エッヂとしてフックを使うフォアハンド振り子打ち = 振り子フック打ち。
振り子フック打ちの打点は、肩の真下よりも前方です。

フック打ちはフックというエッヂを使ったフォアハンド打ちだ、という見解に2022年04月08日に達した。
床にほぼ垂直な平面内で腕を振るフック打ち上げも、前方への金的打ちの様なフォアハンド打ちだと見なす事にする。

フック打ちはフォアハンド打ちだ、と私は定めたのだから、フック打ちのフレキシングとしてはフォアハンド打ちのフレキシングを使う事にします。
右腕を振るフック打ちのフレキシングの始状態では、右腕の肘をインパクトの瞬間の肘の角度と同じ角度だけ曲げておき、脇を開けて右肘を右腰の右脇に置きます。
フック打ちでは、上腕の途中から手までの全体がエッヂとしてフレキシングの最初から最後まで剛体の様に変形せず、それを肩でつかんで振り回す、というコンセプトです。
フレキシング中に肘や手首の曲がり加減を変化させたり前腕を上腕に相対的に捻ったりはしません。
この条件によってフレキシングの始状態での手指の向きまで決まります。

ボクシングでは、敵に近い方の足の側の手を水平に振るフック打ちがフック打ちの中で最も有用なのかもしれない。
しかし、私は、このフック打ちを採用しない。
肩や腰に無理な力がかかりそうで心配だし、バネを貯める準備動作が必要な点を嫌うからだ。
私のデザイン例では、水平フック打ちとしては、敵から遠い方の足の側の手を水平に振るフック打ちだけを使います。
敵を狙ったAFS基本姿勢から始めるなら、このフック打ちでも、バネを貯める準備動作は必要だし前手フックのよりも準備動作が大きいけれど、このフック打ちなら肩や腰に無理な力はかかりません。
また、順ストレート打ちの直後に行なうなど、バネを貯める動作を直前の別の動作に兼ねさせたり、敵に気付かれない様なやり方で行なえば、バネを貯める動作が必要だから使えないとは言えません。
私のデザイン例でも、床に垂直な平面内で腕を振るフック打ちなら、敵に近い方の足の側の手を振るフック打ちも使います。
斜めフック打ちは、私のデザイン例では、敵に近い方の足の側の手では行ないません。

特に前足側の腕によるフック打ちについて言える事だが、終始水平面内で振ったのでは、打つ前の溜めを作る為の引き代が無い。
これでは、拳の運動の始点から打点までの距離(ストローク)が不十分だ。
この問題は、腕を水平に引くのではなく、アッパー打ちの準備の様に下に引いて、アッパー打ちから水平フック打ちに切り替える様な動きを採用する事によって解決されそうだ、と思う。
これは、伝統空手における前蹴りを途中で回し蹴りに切り替える技の動きに似ている。
前足側の腕による水平フックを打つ時、何も考えずに振ると、自然とそう成ってるなあ、という風に気付いた。
この様にも考えたが結局、前足側の腕による水平フック打ちというものは出来るだけしない事にした。
前足側の腕による水平フック打ちでは肩関節を傷める危険が大きいからです。

水平フック打ちは水平フォアハンド打ちだから、水平フック打ちでは上体を少しも前傾させません。
したがって、水平フック打ちではAFS基本姿勢ではなくAFS上起姿勢を使います。

水平フック打ちでは、肩関節を筋力で固めたまま振る事に私はしているが、胴体と上腕の間の角を選べる。
脇をどれだけ開けるかと、上腕を胴の真横に置くか前に出すか、を選べるという事です。
標的の高さ、および標的と自分の両足の位置関係に応じて選ぶ。
この選択が間違っていると、ストロークが短く成り過ぎたり、インパクトゾーンが標的に届かなかったりする。

ボクシング・グローブ等を着用していない場合には、ナックル・パートを敵の被打部位に正しく当てる為には、接触の瞬間の肘の角度ごとに、手の甲をどちらに向けるのか、手首の角度はどうするのか、が問題に成る。

昔、極真空手の本を読んでいて、裏拳回し打ち、という技を目にした。
コンタクトの瞬間に手の甲が自分の方に向き、手首を反らせた状態にする技だ。
この技は、私にとってずっと不可解だったが、グローブ無しでのフック打ちにおけるナックルパートの当たり方を考えている時に、この謎が解けた。
ロング・フック(インパクトの瞬間の肘の曲がり角が鈍角)では、手首を伸ばしたまま手の甲を上に向けての水平フック打ちでは、ナックル・パートの2関節のうちの片方(人差し指の関節)しか当たらず、具合が悪い。
手首の腹を自分の方に向けると、ナックル・パートよりも指先に近い関節が当たってしまい、具合が悪い。
裏拳回し打ちなら、ナックル・パートが当たる。
ロング・フックでは、裏拳回し打ちを、正拳を当てる(手首の返しを増やす)方式にアレンジして実行する、のが正しい、と考える様に成った事が私には有る。
裏拳ではなく反り正拳を当てる、という意味です。
ただし、この打ち方では肩関節に大きな柔軟性が要求され、不完全なコンディションでこの技を行なうと、肩がグキッと鳴って肩を傷める危険性が有るだろう。

中段水平ショート・フック(肘を直角に曲げる)では、エッヂとして正拳を使い、手首の腹を自分の方に向ける(親指が上、小指が下に位置する)方式を私は基本だとする事にした。

しかし、ショート・フックでもロング・フックでも、上段を打つ場合は、掌底を当てるのが、最も無難だと思う。
正拳を当てたのでは、当たり損ねた時に自分の指を敵の歯で切ってしまう恐れが有る、と思うからだ。
掌底上段水平ショート・フックでは、インパクトの瞬間に指は真上を向き、手首の腹は下を向く。
掌底上段水平ショート・フックのフレキシングの始状態は、インパクト時の状態から腕を少しずつ低めながら弓の様に引いて得られるので指は、真上を向かないが、水平や下を向くのでもなく、真上と水平の中間の向きを向く。
掌底上段水平ロング・フックでは、インパクトの瞬間に指先は水平前方を向き、手首の腹は自分の方を向く。
掌底上段水平ロング・フックのフレキシングの始状態は、インパクト時の状態から腕を少しずつ低めながら弓の様に引いて得られるので指は、水平を向かないが、真下を向くのでもなく、水平と真下の中間の向きを向く。
これら掌底水平フォアハンド打ちの実用性は、相撲の真剣勝負における張り手の実績に基づいて評価する事が出来る。

水平フック打ちでは、フレキシングの始状態で肘を肩より後ろまで引く事はしない。
水平フック打ちの始状態では、脇を45度ぐらい空けて上腕を脇腹の真横に置く。
水平フック打ちでは、肩関節を筋力で固めて、フレキシングに伴う全身の回転で打つ。
肩関節も動かせばヘッド・スピードは高まるが肩関節を傷めるリスクが生じる。
フック打ち上げは肩関節の角変化で打つが、フック打ち上げで肩関節を傷めないコツは、スイングの前半を脱力しておく事である気がする。

水平ショート・フック打ちによるボディー・ブローで掌底を当てようとすると、脇腹に当てる場合は無理は生じないが、ミゾオチに当てようとすると、指が邪魔に成って上手く行きそうにない。
掌底を当てようとして指が邪魔に成る向きに敵の胸面が向いているならば、正拳が適している。
脇腹に当てる場合でも、掌底を当てたのでは、接触面積が大き過ぎて鋭さが足りないかなあ、とも思う。
また、肋骨と骨盤の隙間は非常に狭いので、肋骨と骨盤の隙間を手刀は通るが掌底は通らない。
鋭さを出すために掌底水平フック打ちの代わりに手刀水平フォアハンド打ちを使うと、肘が下に垂れ、肘を外に張り出したフックの形に出来ず、フック打ちならではの重さが出ない。
先端、肘、肩の3点を振り面内に収まる剛3角形とする事によって貫通力(重さ)を出すのがフック打ちの特徴です。
手背刀フック打ちをするには手首を無理な角度に曲げないといけないので、手背刀フック打ちは使わない事にする。

ショートでもロングでもフック打ちによるボディー・ブローでは、敵の被打面の向きに応じて、掌底または正拳を当てるのが良かろう。
脇腹へのフォアハンド打ちでは、フックではなく手刀を使って、肋骨と骨盤の隙間を通す事も考えたい。
頭蓋骨にGを生じさせる為のフック打ちでは、鋭さは必要ないので、掌底を当てるのが良かろう。

ロング・フックもフックであるからには大してロング(長到達距離)でない。
また、ショート・フックとロング・フックの標的位置も大して違わない。

腕を下から上に振り上げるフック打ち上げについては、上段フック打ちで正拳を使うと、敵の肘を打ち上げてしまうリスクが有るので、上段フック打ちでは熊手を使いたいと考えた事も有るが、その後正拳で練習しています。
熊手を使うなら、自分の指が敵の身体に引っ掛かるリスクを減らす為に、開手で掌底を当てるよりも、熊手の方が良いでしょう。
中段ショート・フック打ち上げでは、被打面が鉛直に近ければ手の甲を下に向けて正拳を、被打面がこちらに大きく前傾していれば、掌底を当てるか、手首を直線状に伸ばして手の甲を上に向けて正拳を当てます。
これを「覆正拳」と呼ぶ事にします。
「裏拳」という言葉は手の甲のナックルパート部分のみを指す事にし、腕の振りがたとえ裏拳打ちと同じであっても、標的に当たるのが手の甲ではなく手指のナックルパート部分ならば、それは裏拳打ちではなく正拳打ちだと考え、これを覆正拳打ちと呼ぶ事にします。
覆正拳フック打ち上げは、前腕の捩れ角が正拳フック打ち上げと180度違う所まで前腕をひねると肘が脇から離れてしまうので、そこまでひねらず、縦拳フック打ち上げと少ししか違わない前腕の捩れ角で行なう、と考えた時期も有るが、その後やはり180度ひねる様に成りました。
中段ロング・フック打ち上げでは、被打面がこちらに大きく前傾していれば、掌底を当てるか、手首を反らして手の甲を自分に向けて正拳を当てます。
これを「反り正拳」と呼ぶ事にします。
縦拳を使わないのは、手首をぶつけた場合の損害を出来るだけ小さくするためです。
フック打ち上げでは、始状態で、当てる手の側の肘を肩より後ろまで引いてもよい。
フック打ち上げでは、後足の向きを変える(逆ストレート打ちのフレキシングを途中まで行なう)以外にはフレキシングを行わない事にした。
前足側の手によるフック打ち上げでは、後足の向きも変えません。

水平フック打ちでは手刀をエッヂとする事も可能です。
これは、掌底打ちの手刀版みたいな当て方です。
つまり、インパクトの瞬間に手の甲が運動面に平行に成っていない。

標準エッヂ
水平ショート・フック 上段 掌底 肘が少し下がる。
中段 正拳(手の甲を鉛直に) 落とし受けされると痛そう
掌底 指が邪魔に成れば使わない
水平ロング・フック 上段 掌底 手首の腹を敵の肘などにぶつける危険が有る。
リーチが微妙に短い。
中段 掌底
正拳 掌底では指が邪魔に成る場合
上段・斜めフック ショート 平拳 半身の敵のノドに当てる。手背刀フォアハンド打ちでは敵のガード腕に阻まれるしショートは打てない。平拳アッパーは敵が正面を向いている時だけ。手首は真っ直ぐ伸ばす(=正拳の場合と同じ角度にする)。
人差指と中指の第2関節だけを標的に当てるつもりでやると手首の角度を間違えにくい。
(これらは欠点の記述ではありません)
ロング
ショート・フック打ち上げ 上段 正拳(手の甲を前に向ける)
中段 正拳(手の甲を下に向ける) 被打面が床に垂直か後傾している場合
覆正拳(手の甲を上に向ける) 被打面が前傾し(こちらに傾い)ている場合
ロング・フック打ち上げ 上段 反り正拳 熊手を使ったのでは腕背刀の手首部分をぶつけるリスクが発生する。
中段 正拳(手の甲を下に向ける) 被打面が床に垂直か後傾している場合
反り正拳 被打面が前傾し(こちらに傾い)ている場合
反り正拳以外では(覆正拳でも)、正拳では、手の甲と背腕が1枚の平面に成るように手首の角度を選びます。
反り正拳でのフック打ち上げは、裏拳回し打ちを縦に振る要領で行なう。



日時 場所 大会 当事者(名前/体重/前足) 防具 ラウンド タイミング エッヂ 被撃部位 入射角度 直前事・
被撃姿勢
注釈
撃者 被撃者
K.O. 2015年10月17日(日本) 後楽園ホール DEEP 73 IMPACT フェザー級 5分×2R 上迫博仁/66.0kg(Wikipedia)/左足 大原樹理/kg/左足 開指手袋 1 2分39秒(中断時間込) 右正拳 左頬 顔を右に向かせる当たり方 上迫右フック 後足側の手を当てるフック
2021年06月19日(USA) ラスベガス WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ 井上尚弥 Michael Alber Dasmariñas ボクシング・グローブ 2 残1:09 左正拳 右脇腹 水平にかすめる 井上ワンツー・ダスマリナス上段ガード 前足側の手を当てるフック
2019年05月18日(UK) グラスゴー WBSSバンタム級トーナメント準決勝 井上尚弥 Emmanuel Rodríguez Vázquez ボクシング・グローブ 2 残2:29 左正拳 右頬 芯をとらえる向き 井上が右ボディー 前足側の手を当てるフック
2017年12月30日(日本) 横浜文化体育館 WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 井上尚弥/52.1kg/左足 Yoan Boyeaux/51.5kg/左足 ボクシング・グローブ 1 残0:17 左正拳 右頬 芯をとらえる向き ボワイヨ右フック 樹木の伐採の様に倒れた。前足側の手を当てるフック
有効 2018年05月25日(日本) 大田区体育館 WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 井上尚弥/kg/左足 Jamie McDonnell/kg/左足 ボクシング・グローブ 1 残1:40 左正拳 右後頭部 巻き込む様に当たった 直前打なし・マクドネルのダッキング左パンチと同時 膝に来た
クリーン・ヒット 無効
空振り
チャンス




単発AFS@空手の技@動画

フック打ちのエッヂ選択(2022年04月28日撮影分)@単発AFS@空手の技@動画









最終更新2024年05月20日