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< 正攻法の市場競争 > | ||||||||||||||||||||||||
まず前置きとして、競争は権利であり抵抗である、という事を述べておきます。 第一義的には、それは、強者による弱者の捕食の容認などではなく、「こら、そこのお前、ここに来て、これをやれ」という暴力的で不当な要求を、自助努力で「私はその様な者ではない」という風に証明する事によって撥ね付ける、穏当で筋の通った涙ぐましい正当な防衛行為、それが競争である。 結論を言うと、益ベース完全一致式価格決定律に基づく自由市場競争では、個々の参加者は、次の2点で競争する事に成る。
これらを直接に妨害していたのが、過去に廃止された物品税ではないか、と疑う。 どの益種格が、多く作れば作るほど売れるか、言い当て、その益種格で、どちらが多く作れるか勝負だ、という競争をする事も、全く正当だ。 論理的には、それもある。 正当だけれども、多く作れば安く作れるので価格競争に勝てる、という計算は益ベース完全一致式価格決定律に基づく自由市場競争においては成り立たない。 多く作れば作るほど売れるのだから、競争に負けても困らない。 だから、それは、ほとんど、実利の競争ではなく、せいぜい名誉の競争だけに成る。 実利に関しては、競争ではなく、むしろ協働である。 多く作れば1個当たりのコストが小さく成るので利益を多く出せる、という計算はオッケーだ。 --- 益ベース完全一致式価格決定律に基づく自由市場方式では、価格競争というものは、存在できない。 同一の益に対して同一の人が認める価格は1つだけだからだ。 そこで、まず第一には、市場競争は主に異なる益種間の競争だ、と考えられる。 異なる2つの益種を比較して、予算が限られていて、両方最高級品を買うわけには行かない時に、どちらを廉価版で済ませ、どちらを高級版で購入するか、という問題を考える事に成る。 ただし、必要量は、2つの益種のどちらも1個だとする。 廉価版で済まされる益種は競争力が小さく、高級版を購入してもらえる益種は競争力が大きい、という言い方が適当だ。 しかし、この問題の答えは確定的であり、参加者の選択や努力によって変化する事は、あまり無いだろう。 人が、何を非常に欲しいと思い、何をそれほどでもないと思うか、で決まる事だからだ。 そういう好みは、各人に固有の物であり、参加者が入れ替わらない限り、あまり変化しないだろう。 掃除機とテレビを比較したとき、テレビの購入をブラウン管テレビで安く済ませ、出来るだけ高級な高い掃除機を購入する、という選択は、ほとんど誰もしない。 掃除機なんて安いので良い、掃除機の購入を安く済ませて、その分、出来るだけ高級なLEDテレビを購入する、という選択は、十分に有り得ると思う。 これが、電気掃除機という益種がテレビという益種に確定的・固定的に負けている、という状況である。 趨勢においては、それで間違いない、と思うが、注意深く見ると、益種αの廉価版、標準版と益種βの廉価版、標準版の競争では、益種αが廉価版で済まされ、益種βが標準版を購入してもらえるが、益種αの標準版、高級版と益種βの標準版、高級版の競争では、益種βが標準版で済まされ、益種αが高級版を購入してもらえる、という論理的な可能性がある。 どの益種も、現時点で到達している格は有限だから、競争結果から言える事は、そこまでに限れば成り立っている事に過ぎず、もっと突っ込んでスーパー高級品を作った時に、今まで自分たちを負かしていた他の益種に逆転勝利する、という可能性は、常に残されている。 この文を書いているのは2015年だが、テレビCMでダイソンの掃除機という物を何度も見た。 家電量販店でも見かけた事がある。 この益種格は、掃除機という益種のスーパー高級品を作れば、テレビという益種に掃除機という益種が勝つかもしれない、という可能性を示している。 そういう意味で面白い動向だ、と思っている。 そこまで含めて言っても、競争に対する益種の特性は、不可知ではあるが固定的である。 競争の同じ様相を、経済への参加者の視点から見ると、このページの冒頭に書かれている様な競争に見え、これは不確定的である。 --- 以上をまとめると、正当裡の市場競争の結果はヒトゲノムをスペクトル分析に掛けた結果の様な物に成るだろう、と言える。 したがって、「こら、そこのお前、ここに来て、これをやれ」という不当な要求の発信源は、生物個体として劣った人であり、この要求が向けられているのは生物個体として優れた人なのだ。
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最終更新2015年12月30日 | ||||||||||||||||||||||||
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