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購買の意思決定 所持金w円の消費者Aが、食堂の入り口で価格表を見ながら、x円のカレーライスと、y円のオレンジジュースの購入を検討している場合を考える。 ここでAの心に生じる葛藤は、出来るだけ高級なカレーライスを食べたい、出来るだけ高級なオレンジシュースを飲みたい、出来るだけ所持金残高を多く残したい、という3つの互いに衝突する欲望の並存、として言い表される。 この葛藤は、形式的には、カレーライスという益種とオレンジジュースという益種と負担減免益という益種の間の異種益間競争だ、と見なせる。 負担減免益とは、所持金の事である。 所持金がその額の分だけ残存義務を減少させる事は、既に述べた通りだ。 残存義務の消化には一般に負担が伴うので、所持金はその負担を減免するという益だ、と考えられる。 様々な購入パターン(x, y)の中でAが選んだ値に対して、x円のカレーライスと、y円のオレンジジュースと、(w - x - y)円の負担減免益の対A競争力は等しい、と言う事にする。 その様なxの値とyの値はwの関数である。 x = f(w), y = g(w) x円のカレーライスとy円のオレンジジュースという2益種の競争力の比較方法としては、 ∀w; x = f(w) ⇒ y > g(w) である事をもって、x円のカレーライスの方がy円のオレンジジュースよりも競争力が強い事の定義とし、 ∀w; x = f(w) ⇒ y < g(w) である事をもって、x円のカレーライスの方がy円のオレンジジュースよりも競争力が弱い事の定義とする。 論理的可能性としては、fやgが単調でなければ、どちらの競争力の方が強いわけでもない、という判定結果に成り得るが、実際問題として、そういう事は例外的にしか存在しない病理と見なせるだろうから、その吟味は後回しにする。 x円のカレーライスとw円の負担減免益とか、y円のオレンジジュースとw円の負担減免益という形の2益種の競争力の比較方法としては、カレーライスまたはオレンジジュースだけ購入する場合の例を使って定義を作り、それが上記の定義と食い違わないか、チェックする必要がある。 上記の定義で言うと、f(w)円のカレーライスとw-f(w)-g(w)円の負担減免益の対A競争力が等しい。 さて、これが、所持金v円の場合にAがx円のカレーライスを選ぶ事と同じであるためには、 x = f(w) and v - x = w - f(w) - g(w) でなければ、いけない。 この条件は、 x = f(w) and v = w - g(w) である事と同じである。 この条件を、さらに書き換えると、 x = f(v + g(w(v))) この式は、カレーライスとオレンジジュースと負担減免益の3者拮抗問題で、所持金残高がvに成る様な選択に対応する所持金初期値をw(v)とすると、その場合のオレンジジュース購入額はg(w(v))だが、もし所持金初期値がv + g(w(v))だったならx円のカレーライスを購入していた事でしょう、という風に読まれるべき物だ。 これは、所持金初期値がvの場合のカレーライスと負担減免益の2者拮抗問題の関数f'が、 f'(v) = f(v + g(w(v))) で与えられる事を意味しており、成り立ちそうだ。 ただし、2者拮抗問題の関数f'は、所持金初期値がvの場合にはAはf'(v)円のカレーライスを選ぶ、という条件によって定義される。 選んだカラーライスが、オレンジジュースの分だけ余計に所持金を持って来た場合に選んだカレーライスと同じである、というのは、実際にそうでありそうな事だ。 したがって、チェックは成功と見てよいだろう。
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最終更新2015年12月30日 | ||||||||||||
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