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「アキレスと亀」とは、古代ギリシャの哲学者ゼノンが提示した問題で、次の様な内容です。
1本道を低速で先行している亀に追いつこうと高速のアキレスが走行する場合、アキレスが亀の現在位置(第1地点)に到着する頃には亀は現在位置よりは先(第2地点)まで進んでいる、アキレスが第2地点に到着する頃には亀は第3地点まで進んでいる、・・・ アキレスが第N地点に到着する頃には亀は第N + 1地点まで進んでいる、・・・、したがってアキレスは亀に永遠に追いつけない。
この様な内容です。
これは面白いのですが、実際には、有限の時間を無限個に分割できる事、無限級数でも収束する場合が有る事を指摘しているだけで、アキレスが亀に永遠に追いつけない事の証明には成っていません。
したがって、数学や論理学の問題としては「アキレスと亀」は、とっくの昔に終わった問題です。
しかし、例えばボクサーがリング上でバック・ステップする敵をAFSで打とうとして上手く打てないでいる様子を描写するには、「アキレスと亀」問題の状況に喩えるのが分かり易いだろう。
ここでは、「アキレスと亀」問題の状況に喩えられるそういう問題を打破する戦術を提案します。
答えは、アキレスが亀の現在位置まで行くのではなく、亀の現在位置の少し先まで行く事です。

AFSや蹴りの場合は、これは、AFS用の立ち位置や蹴りの軸足位置を、AFSや蹴りの起動からインパクトまでの時間がもしゼロだったなら敵との距離が近過ぎて不適当である様に決める、という事です。
分かり易く言うと、敵との距離が近過ぎだと感じられる様に踏み込む、という事です。
そうすれば、実際には、AFSや蹴りの起動からインパクトまでの時間はゼロではないので、その時間の間に敵が後退して、インパクトの瞬間には敵と自分の距離がAFSや蹴りのリーチに丁度一致する様に出来ます。
私は、この戦術を「距離偏差射撃」と呼びたい。

独立式肘前ストレート打ちに続いて連動式正拳前ストレート打ちを実行するワンツー打ちの伸長接続としての特性を活用して、ワンをBFSファースト・コンタクトとし、ツーを距離偏差射撃とする、などが考えられる。
踏み込みでの前足の接地の瞬間を後屈立ちとし、後屈立ちから前屈立ちに変形しながらAFSを実行する手も有るだろう。
蹴りでは、敵を手で押して遠ざけた後で蹴る、という戦術が有効だと聞いている。
剣道の「引き面」という技も、同じ種類の技だと言える。

まず前足を踏み込んで敵を後退開始させ、次に直ぐ歩み足で敵の後退速度を上回る速度で接近し独立式肘前ストレート打ちをBFS的に当て、それをワン・ツーのワンとする、などが考えられる。


最終更新2025年08月11日