発言タイミング |
発言内容 |
注釈 |
OHP-13-1 |
宇田雄一です。
今回は、どの先生がどの生徒を教えるかを決める原理について発表します。
日本物理学会2014年春の大会での発表の続編です。 |
左記発言開始は、2015年03月24日16時04分56秒頃です。 |
OHP-13-2 |
先生をT、教育種目をC、(OHP-13-2の上段の3行2列の表を指した)生徒をSで表すと、これら3者の相互選択の原理は、ソレダケノモン的には、この様に(OHP-13-2の上段左の図を指した)、TがCを、CがSを、SがTを選択する、という物です。 |
- |
選択結果の全体を一度に求めるのは難し過ぎるので、TC対応毎に分けて考える事にします。(OHP-13-2の上段中央の図を指した)
TC対応を固定すると、CS対応はTS対応だと見なせます。(OHP-13-2の上段右の図を指した) |
全てのTC対応についてTS対応を求めた後で、その中から最善のTS対応を生むTC対応を探せば、選択結果の全体が分かります。 |
無償の自由教育の場合について、TS対応を決める条件として、これら2つの条件(OHP-13-2の下段の2行2列の表を指した)を作ってみました。
ただし、先生にとって生徒が好ましい、とは、その先生の教育種目へのその生徒の適合度が高い、という事です。
それ以外の意味での好ましさは全て差別に当たる物として排除されるべきです。 |
これらの条件は、現実社会で少なくとも建前としては是とされている事を、四角四面に書いただけです。
両性の合意のみに基づく結婚も、これです。
自由契約は全てこれです。 |
OHP-13-3 |
先生も生徒もN人だとし、それらを1からNまで(OHP-13-3の最上段の変数設定を指した)の自然数で表す事にします。 |
- |
Tの志望状況をこの様な表で表す事にします。(OHP-13-3の2段目左の表を指した)
T=1の第1志望はS11(OHP-13-3の2段目左の表中のS11を指した), T=1の第2志望はS12(OHP-13-3の2段目左の表中のS12を指した), 第3志望はS13(OHP-13-3の2段目左の表中のS13を指した)。
T=2の第1志望(OHP-13-3の2段目左の表中のS21を指した)、第2志望(OHP-13-3の2段目左の表中のS22を指した)、第3志望(OHP-13-3の2段目左の表中のS23を指した)。
T=3の第1志望(OHP-13-3の2段目左の表中のS31を指した)、第2志望(OHP-13-3の2段目左の表中のS32を指した)、第3志望(OHP-13-3の2段目左の表中のS33を指した)など、という風に成っています。 |
Sの志望状況をこの様な表で(OHP-13-3の2段目右の表を指した)表す事にします。
S=1の第1志望はT11(OHP-13-3の2段目右の表中のT11を指した), 第2志望はT12(OHP-13-3の2段目右の表中のT12を指した), 第3志望はT13(OHP-13-3の2段目右の表中のT13を指した)。
S=2の第1志望(OHP-13-3の2段目右の表中のT21を指した)、第2志望(OHP-13-3の2段目右の表中のT22を指した)、第3志望(OHP-13-3の2段目右の表中のT23を指した)。
S=3の第1志望(OHP-13-3の2段目右の表中のT31を指した)、第2志望(OHP-13-3の2段目右の表中のT32を指した)、第3志望(OHP-13-3の2段目右の表中のT33を指した)など、という風に成っています。 |
TS対応を関数Zで表す事にします。(OHP-13-3の3段目の式S=Z(T)を指した) |
(Tの志望状況表のS11,S21,S31,・・・を指しながら)S11,S21,S31,・・・が全て異なる場合は、Si1=Z(i)(OHP-13-3の最下欄の文中の式Z(i)=Si1を指した)は条件1の解です。
任意のiに対して、Si1がT=iよりも高く評価する先生は、仮に居るとしても、既に第一志望の生徒を取っており、その先生にとって第一志望の生徒は必ずSi1よりも好ましい、からです。 |
また、この場合、Si1=Z(i)は条件2も満たします。
任意のiに対して、T=iがSi1よりも高く評価する生徒は居ないので、仮に居たらどうだ、という命題は常に真だからです。 |
同様にして、(Sの志望状況表のT11,T21,T31,・・・を指しながら)T11,T21,T31,・・・が全て異なる場合は、i=Z(Ti1)(OHP-13-3の最下欄の文中の式Z(Ti1)=iを指した)は条件1と条件2の両方の解です。 |
(OHP-13-3の最下欄の文の冒頭のS11,S21,S31,・・・を指しながら)S11,S21,S31,・・・が全て異なり、(OHP-13-3の最下欄の文の冒頭のT11,T21,T31,・・・を指しながら)T11,T21,T31,・・・も全て異なる場合、前者は先生の意志であり後者は生徒の意志であるから、両者は独立であり、従って、この解と(OHP-13-3の最下欄の文中の式Z(i)=Si1を指した)この解は(OHP-13-3の最下欄の文中の式Z(Ti1)=iを指した)、一般には異なります。
従って、条件1の解も条件2の解も一般には一意でない、と分かります。
また、競争関係は、先生間と生徒間で別々に存在するのではなく、先生が第一志望の生徒を取ると生徒が第一志望の先生に就けない、生徒が第一志望の先生に就くと先生が第一志望の生徒を取れない、という風に、先生の希望と生徒の希望も一般には対立する物である事が分かります。 |
OHP-13-4 |
N=2の場合について(OHP-13-4の志望状況1の欄を指した)、その様子を具体的に見てみましょう。
志望状況1では、Z(1)=1, Z(2)=2は条件1,2の解であり、
先生の希望と生徒の希望が同時に叶えられています。
志望状況2では(OHP-13-4の志望状況2解1の欄を指した)、Z(1)=1, Z(2)=2は条件1,2の解だが、
これでは、先生の希望のみが叶えられ、生徒は妥協しています。
志望状況2では(OHP-13-4の志望状況2解2の欄を指した)、Z(1)=2, Z(2)=1も条件1,2の解だが、
これでは、生徒の希望のみが叶えられ、先生は妥協しています。
この様に、志望状況に応じて、先生と生徒の間に競争関係が存在したりしなかったりしています。
志望状況2では、解が一意でない事が分かります。 |
- |
OHP-13-5 |
N=3の場合を見ると、志望状況によっては、先生と生徒の間の綱引きの様な不定性が存在する事が分かります。
先生が第一志望の生徒を取り、生徒が第三志望の先生で妥協する解。(OHP-13-5の左の上段を指した)
先生も生徒も第二志望で妥協する解。(OHP-13-5の左の中段を指した)
先生が第三志望の生徒で妥協し、生徒が第一志望の先生に就く解。(OHP-13-5の左の下段を指した)
この様に、同一の志望状況に対して3つの解が存在します。
ここまで解明してみて、このうちの1つの解のみを提示し、条件1や条件2に訴えて、こうするしか仕方ありませんよね、と言って先生や生徒をだましている人が居るのではないか、と思う様に成りました。
先生が生徒に第1解のみを提示して生徒をだましたり、生徒が先生に第3解のみを提示して先生をだましたり、という可能性です。 |
- |
OHP-13-6 |
この様に、3人の先生の志望内容が全く同じで、3人の生徒の志望内容も全く同じ場合、解は、人気の有る人は人気の有る人同士、人気の無い人は人気の無い人同士で師弟関係を結ぶ、という内容に成り、もっともらしい。
この場合、解は1つだけで、不定性は有りません。 |
- |
ここまでの具体例を見て、解には、先生と生徒の綱引きの形での不定性が残るだけで、開放かスクミかの形での不定性は生じそうにない、と予想されます。
つまり、先生と生徒が足並みを揃えて希望が叶うか妥協するかの不定性は生じそうにない。
また、不定性は志望がバラける事によって生じるらしい事も分かります。 |
OHP-13-7 |
最後に、条件1と条件2が同値である事を、証明します。
先生による志望序列表がこうだとし(OHP-13-7の最上段左の表を指した)、生徒による志望序列表をこうだとすると(OHP-13-7の最上段右の表を指した)、
(OHP-13-7の3行2列の表中の条件1の式の該当箇所を指しながら)条件1は、T=iの生徒の序列表でのT=iの順位よりもkが小さいならば、T=iの生徒の第k志望の先生の序列表でのその先生の生徒の順位は、その先生の序列表でのT=iの生徒の順位よりも小さい、つまり上位だ、という風に書けます。
(OHP-13-7の3行2列の表中の条件2の式の該当箇所を指しながら)条件2は、T=rの序列表でのT=rの生徒の順位よりもsが小さいならば、T=rの第s志望の生徒の序列表でのその生徒の先生の順位は、その生徒の序列表でのT=rの順位よりも小さい、つまり上位だ、という風に書けます。
条件1の対偶は、これ(条件1の式の⇒より右の部分を指した)の否定ならばこれ(条件1の式の⇒より左の部分を指した)の否定、という命題だから、こう成ります。(OHP-13-7の3行2列の表中の第3行を指した)
この表式において、この変数変換を行なうと(OHP-13-7の最終行の変数変換の式を指した)、
(条件1の対偶の式の⇒の左の不等式の左辺を指して)この不等号の左の部分がsに(条件2の式の⇒の左の不等式の左辺を指した)、(条件1の対偶の式の⇒の左の不等式の右辺を指して)不等号の右の部分が(条件2の式の⇒の左の不等式の右辺を指した)この不等号の右の部分に、
そして、(条件1の対偶の式の⇒の右の不等式の左辺を指して)こっちの不等号の左の部分が(条件2の式の⇒の右の不等式の左辺を指して)これに、そして(条件1の対偶の式の⇒の右の不等式の右辺を指して)不等号の右の部分が(条件2の式の⇒の右の不等式の右辺を指して)この不等号の右の部分に一致するので、
条件1の対偶と条件2が同じに成ります。
したがって、条件1と条件2は同値です。
さて変数変換の内容ですが、これはiの値毎に分けて考えると、分かります。
ここでiを固定すれば(変数変換の左の式中のiを指した)、これは順列関数なので(変数変換の左の式中のλを指した)、ここはλが順列関数なので、この条件でkとrが一対一に対応し(変数変換の左の式中の等号を指したらしい)、この条件でsは(変数変換の右の式中のsを指した)T=rの序列表での(変数変換の右の式中のπrを指した)Z(i)の順位という事だから、sはrの関数に成ります(変数変換の右の式中のsを指した)、この条件で。
したがって、rもsもk,iの関数として指定できています。
(変数変換の左の式中のλZ(i)を指した)これは順列関数だから、kを変えるだけでrは全範囲動きます。
iを動かしても合わせてkを変える事によってrを一定に出来、(変数変換の右の式中のZを指した)Zも(変数変換の右の式中のπrを指した)これも順列関数だから、そうやってiを変えれば(変数変換の右の式中のsを指した)sは全範囲を動きます。
従って、(k,i)から(r,s)への写像は上へのです。
逆に、右の式はiをr,sの関数として与え(変数変換の右の式を指した)、それを左の式に代入すると(変数変換の左の式を指した)、kがr,sの関数として決まります。
以上によって、(k,i)と(r,s)は全範囲一対一対応が付いています。 |
条件1 |
Z(i) |
T=iの生徒 |
λZ(i) |
T=iの生徒の序列表 |
λZ(i)-1(i) |
T=iの生徒の序列表でのT=iの順位 |
λZ(i)(k) |
T=iの生徒の第k志望の先生 |
πλZ(i)(k) |
T=iの生徒の第k志望の先生の序列表 |
πλZ(i)(k)-1(Z(λZ(i)(k))) |
T=iの生徒の第k志望の先生の序列表でのその先生の生徒の順位 |
πλZ(i)(k)-1(Z(i)) |
その先生の序列表でのT=iの生徒の順位 |
条件2 |
πr |
T=rの序列表 |
Z(r) |
T=rの生徒 |
πr-1(Z(r)) |
T=rの序列表でのT=rの生徒の順位 |
πr(s) |
T=rの第s志望の生徒 |
λπr(s) |
T=rの第s志望の生徒の序列表 |
Z-1(πr(s)) |
その生徒の先生 |
λπr(s)-1(Z-1(πr(s))) |
T=rの第s志望の生徒の序列表でのその生徒の先生の順位 |
λπr(s)-1(r) |
その生徒の序列表でのT=rの順位 |
条件1の対偶 |
πλZ(i)(k)-1(Z(i))
= πr-1(πr(s))
= s |
πλZ(i)(k)-1(Z(λZ(i)(k)))
= πr-1(Z(r)) |
λZ(i)-1(i)
= λπr(s)-1(Z-1(πr(s))) |
k
= λZ(i)-1(r)
=λπr(s)-1(r) |
左記発言終了は、2015年03月24日16時15分11秒頃です。 |