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オークションと第4種のペテン 益ベース完全一致式価格決定律によらなくても、オークション方式でも当事者は納得する。 つまり、局所的には、どこを取っても、納得できない人が生じる、という問題は発生しない。 売れ残りが出ない、という点については、益ベース完全一致式価格決定律よりも、オークション方式の方が優秀だ。 しかし、益ベース完全一致式価格決定律で解決できる問題を、そうせず、オークション方式で処理すると、もったいない事に成る。 それは、高くても納得する買い手と、安くても納得する売り手の持っている、潜在的納得能というメタ価値を無為に散逸させてしまう、というもったいなさだ。 高くても納得する買い手には高くないと納得しない売り手を会わせ、安くても納得する売り手には安くないと納得しない買い手を会わせる、様にしないと、高くないと納得しない売り手や安くないと納得しない買い手という厄介な存在が、最後まであぶれたまま残ってしまい、それが経済の不具合と見なされるからだ。 そして、その事は、もしその散逸が無かったら私の分も有ったのに、と悔しがるのが当然である様な売り手や買い手を生む。 言ってみれば、これは、銀の斧の持ち主が金の斧を持ち帰った為に金の斧の持ち主が自分の斧を持ち帰れなくなる事、に相当するだろう。 益ベース完全一致式価格決定律を全く使わず、最初からオークション方式が用いられた場合、これらの人は、なぜ自分の斧は無いのか、理解できない。 つまり、当事者の納得は、本当の納得ではなく、いわゆる‘知らぬが仏’である。 そして、需要と供給の関係神の御神託なのだから仕方ない、という風に観念する。 そう思わせて煙に巻くのが第4種のペテンである。 しかし、本当は、神のせいではなく、最初からオークションに掛けた奴らのせいなのだ。 益ベース完全一致式価格決定律とオークション方式を1対1で比較すると、オークション方式の方が現実的で優れているかもしれない。 しかし、完全一致式価格決定律を適用した後で売れ残りをオークションに掛ける方式と、最初から全てをオークションに掛ける方式を比較すると、売れ残り判定を出す見切り時間が十分に短ければ、前者の方が優れている。
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最終更新2015年12月29日 | ||||||||||||
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