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益ベース完全一致式価格決定律 益αと益βと益γの価値の比は、買い手Aの主観ではαA:βA:γA, 売り手Bの主観ではαB:βB:γB だとし、βの価格の相場は Pβ だとする。 Aには過去に、γを価格 Pγで売った経験、が有るものとする。 Bは、Aにαを売って、その代金で後でβを購入するつもりで居る、ものとする。 この場合、益ベース完全一致式価格決定律は、具体的には次のアルゴリズムである。 (1) B がαの価格を Pβ×(αB÷βB) だと見積もる。 (2) A がαの価格を Pγ×(αA÷γA) だと見積もる。 (3) 両者を比較し、等しければ次に進み、食い違えば取引不成立を結論とする。 (4) αを今購入する事は丁度良いか、Aが判断する。 (5) αを今販売する事は丁度良いか、Bが判断する。 (6) Aの判断結果もBの判断結果も「丁度良い」ならば次に進み、一方または両方が「丁度良くはない」ならば取引不成立を結論とする。 (7) 取引価格として Pβ×(αB÷βB) = Pγ×(αA÷γA) を結論とする。 つまり、売り手が元から付けていた評価額と買い手が元から付けていた評価額が完全に一致した場合にのみ、その価格で取引する、のが完全一致方式価格決定律(命名は私による)なのだ。 自由市場方式の理念からすれば、本来は、売り手と買い手の両方が「丁度良かった」と言えるのが取引成立の条件であり、「頼む」とか「お願いする」とか「可哀想だから恵んでやるけど感謝しろよ」という事は、有ってはいけない事だ。 許されるのは、誘う事までだ。 この観点からすれば、売り手が付けた評価額と買い手が付けた評価額が完全に一致する、とは、意中の価格が一致する、という事であり、相手からお願いされて、まあそれでもいいや、とか、仕方ないな、という具合に納得する価格ではない。 ただし、意中の価格と言っても、この価格で買えれば嬉しいな、という意味ではなく、やはり主観的な判断に基づくのだけれど、正直に言って自分はこの益はこれだけの価値を持っていると感じる、という主観に基づく価格だ。 益ベース完全一致式価格決定律の正当性の根拠は、こうである。 貸借描像を基礎とすれば、買い手は、自分の過去の与益を、買い局面では受け戻そうとする。 過去の与益の代金は、その受け戻しの権利を証明する証書である。 したがって、買い手は、過去に自分がした与益と(自分の主観的な評価で)同価値の受益を、その過去の与益の代金で、買うつもりで居る。 これは全く正当な事だ。 売り手は、将来自分が購入したい益と(自分の主観で)同価値の益を、将来自分が購入したい益を売ってもらえそうな価格(相場)と同じ価格で、売るつもりで居る。 これも全く正当な事だ。 こうして、相場と、売り手の価値観と、買い手の価値観の3者によって、取引価格が決まる。 価格が主観によって決まる事は、個人の納得が経済の正当性の基礎である事を考えれば間違いないが、例えば、1万円のプリンタが百円の鉛筆の丁度百倍の価値を持っていると感じますか、と言われても、自信を持って答える事が出来る人は、ほとんど居ないだろう。 私も、自信を持って答える事は出来ない。 この問題は、今後キチンと考えるべき問題として、ここでは保留しておくが、宇宙の距離梯子のノウハウがヒントに成るのではないか。
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最終更新2015年12月29日 | ||||||||||||
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