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私はあなたにこれだけ与益しますから、その見返りに、あなたは私に同じだけ与益して下さい、というのが、与益ベースの取引だ。 これに対して、私はあなたの為にこれだけ負担しますから、その見返りに、あなたは私の為に同じだけ負担して下さい、というのが、負担ベースの取引だ。 通貨経済の場合は、「あなた」の部分が経済全体に成る。 負担ベースの経済には、次の欠点がある。 (1) 負担を要求する事は、刑法的な視点から見て、非難されるべき行ないだ。 (2) 負担の売買は人身売買である。 (3) 負担ベースでは自給自足以下に成らない保証が無い。 (4) 負担は、一方(負担する人)の意志のみで、出来る。 (2)は、限度量が一生である様な負担という物を売買する事は、一生を切り売りする事であり、従って人身売買である、という意見です。 (3)は、例えば、米を3kg生産して、それを自分で消費する場合と、生産した3kgの米を売って得たおカネで米を買う場合を、比較した場合、消費できる米の量が、与益ベースでは等しく成るが、負担ベースでは等しく成る保証が無い、という意味だ。 (4)によって、他者の時間や体力を奪う事を目的に、自ら率先して負担する、という犯罪が、負担ベースの経済では可能に成ってしまう。 この様に、色々な意味で、負担ベースの取引は間違っている。 そういう負担ベースの取引が本来の公正な取引だ、という主張を第3種のペテンと呼ぶ事にする。 負担ベースの取引は、説明文に「の為に」という表現が含まれており、まるで呪術である。 取引で問われるのは、あなたの為に何をするか、ではなく、あなたに何をするか、のはずだ。 私はあなたの為に怪我をしますから、あなたも私の為に怪我をして下さい、という態度は、非生産的どころか反生産的な間違った態度だ。
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最終更新2016年02月03日 | |||||||||||||
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