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先発BFSにおいて、敵は拳先(その場で攻撃腕を仮想的に伸ばし切った場合の拳先の位置)からこちらの重心までの距離を移動し、こちらはそれをしないので、敵のBFSが不発に終わった場合は、その分だけ敵が不利に、こちらは有利に成るはずだ。
地面に立ったままの人と、その目と鼻の先に真上から飛び降りて来た人との勝負の様な、準備の有無や体勢の差に由来する有利不利の差が生じるからだ。
簡単の為に、拳先がギリギリ当たる様に狙って敵がBFSを発射して来た場合、を考える。

この場合、こちらが、ほんの少しでも後退すれば、敵の拳先は、こちらに届かない。
したがって、敵のBFS開始を見て直ぐに、こちらは、無限小距離だけ後退して待ち、敵のBFSが不発に終わった瞬間に反撃を開始する、という方法が考えられる。
もし先発BFSの不発確定以後は敵は全く前進しないとしたら、この反撃において、AFSは使えない。(蹴りは使える)
なぜなら、敵のBFSが不発に終わった瞬間の敵と自分の位置関係は、敵の拳先がこちらに届かない位置関係であり、それなら、こちらの拳先も敵に届かないからだ。
BFSで反撃する事については、敵のBFSが不発に終わった瞬間に、こちらのBFSを開始したのでは、敵の第2撃との間に有利不利の差が生じない。

なぜなら、敵のBFSの周期末は、敵が第2撃を開始できる瞬間でもあるからだ。
先発BFSの不発確定以後は敵は全く前進しない、と仮定する事は、BFSの不発確定と周期末は同時だ、と仮定する事に等しい。
(後で気付いたが、実際には、この仮定は間違いであり、BFSの不発が確定するタイミングは、BFSの周期末よりも微妙に早いので、AFSで反撃する事も出来る。)
仮定に従えば、敵のBFSの不発が確定する瞬間よりも早く、こちらは反撃のBFSを開始する必要が有る。
そうする為には、バックステップは、跳び幅が無限小の物ではダメで、有限の跳び幅の物でなければいけない。

なぜなら、敵の拳先がギリギリ届かない位置から、敵のBFS不発確定よりも早く前に跳び出したら、敵の拳先に当たってしまうからだ。

有限の距離だけ後ろから始めて、敵のBFS不発確定よりも一寸だけ遅れてこちらの重心がホームポジションを通過する、という風にすれば、伸び切った後で引き戻されている敵の腕を追いかける形で、自分の重心が敵に向かって突進して行く事に成る。

              


その様に成る為には、敵のBFSの不発が確定するよりも、ずっと早く、こちらの反撃BFSを開始する必要が有る。
なぜなら、BFS開始に対する重心の運動状態の反応はジワッ程度に過ぎないからだ。
敵よりも遅くバックステップを開始し、敵のBFS不発確定よりも早くBFSを開始し、しかも、バックステップの跳び幅は有限にしろ、というのは、かなり厳しい注文だ。
いくら頑張っても、こちらの反撃BFSの重心運動は、突進の域には全然達しないはずだ。

敵がギリギリ届くBFSを撃って来た場合ですら、そうなのだから、敵がもっと深く入るBFSを撃って来た場合には、反撃の難度はさらに上がり、質はさらに落ちる、と考えざるを得ない。
敵のハーフステップBFSをバックステップで交わした後、敵の第2撃よりも先にBFSで反撃する、という概念自体が間違いなのかもしれない。


バックステップ後先BFS(実速再生・合成)2016年01月09日撮影分@後の先@空手の技@動画
バックステップ後先BFS(遅速再生・合成)2016年01月09日撮影分@後の先@空手の技@動画
動画で分析してみると、バックステップ後先BFSという技は仮に成立するとしても時間的にギリギリの所でやっと成立する物である事、が分かる。
また、先制BFSの予定深度が大きければ成立は難しい事、も分かる。
バックステップ幅が先制BFSの予定深度を超えている事は、必要条件だが、この他に、バックステップ中に当たらない事も必要だ。
動画を見ると、バックステップの終点だけでなく、バックステップの序盤でも、当たる危険が生じている事が分かる。
バックステップの序盤には、後方への加速が間に合わず逃げ遅れる、という形の危険が存在している。


最終更新2016年01月26日