since 2003
イレコナビ サイトマップ
< 学問 >
< 持論 >
< 宇田経済学 >
< 価値保存の法則 >

電気回路模型


電子部品を用いたユニットに個人を例える為に、次の様な比喩を設定する。
電気工学 経済学
エネルギー
I 電流 ?
E 可変起電力 生産の意志と能力
R1 可変抵抗 消費をする性質と能力
R2 非常に大きい固定抵抗 貯蓄された価値の経年劣化する性質
C コンデンサー 価値を貯蓄する能力

すると、個人は以下のユニットに例えられる。
Eでエネルギーを生産し、R1でエネルギーを消費する。
S1 S2 現象
1 3 コンデンサーを使わない
1 4 コンデンサーを充電 コンデンサーを放電
2 3 コンデンサーを放電 コンデンサーを充電
2 4 コンデンサーを使わない

この模型は、Cに蓄えられたエネルギーやEで生産されたエネルギーを直接R1で消費する事が出来ない構造、に成っているが、この構造のままでも、Cに蓄えられたエネルギーやEで生産されたエネルギーを他人に与え、その見返りとして他人から、同量のエネルギーを与えられ、それをR1で消費する事、なら出来る。

個人Aを電子部品で構成したユニットとして、
と略記する等する事にする。

一般の回路は、イメージとしては、次の様に描ける。
この電気回路においてエネルギー保存の法則が成り立つ様に、各個人はスイッチ操作および可変抵抗の操作を行なう。
それは、あたかも、各個人が「私は1つのコンデンサーであって、私の所には起電力も抵抗も全く有りません」といって白を切り通す、かの様である。

エネルギー保存則が成り立つ事は、各個人について、
(受益量) - (与益量) = (貯蓄されている価値の増加)
(与益量) - (受益量) = (貯蓄されている価値の減少)
という法則性が成り立つ事だから、そう見せるために各個人は、自分が抵抗で消費したエネルギーを起電力で生産して埋め戻さねばならない。
こうして、常時とり繕って保存系を演じる、のである。

これは、壷を借りて壊し全く同じ物を自作して返却する、かの如くである。

ここまでは、価値保存の法則に対する正しい理解に至る過程で、考えた事です。
残念ながら、
電気回路模型は価値保存の法則に対する正しい理解ではありません
電気回路模型で貯蓄されている価値だとされているのはアテ価値であり、価値保存の法則に従うのは
ツモリ価値だからです。

価値保存の法則は、電気回路模型で表現する事が目指されている様な物理的な法則ではありません。
価値保存の法則に従うツモリ価値は心理的に存在している価値であり、電気回路模型で考えられている様な生産能力やコンデンサーに貯蓄されている価値は、するつもりの事をするアテを与える別の何かだからです。

ツモリ価値は、
(今後販売する必要がある価値量)
= (今後購入するツモリの価値量) - (現在所有している通貨の価値量)
という、心理的にのみ存在している価値として、定義されます。

上記の「常時とり繕って保存系を演じる」という描像に思い至った事が、価値保存の法則の正しい理解、およびツモリ価値の定義の発見の直接のキッカケに成りました。



20日@2012年02月@日記 経済と電気回路との対応関係
21日@2012年02月@日記 電子部品による経済人の構成
22日@2012年02月@日記 電子部品による経済人の構成(2)
23日@2012年02月@日記 2体経済の電気回路
24日@2012年02月@日記 2体経済回路の動作
25日@2012年02月@日記 2体経済回路で見る価値保存 ※
27日@2014年01月@日記 (※への補足)


最終更新2016年01月29日