since 2003
イレコナビ サイトマップ
< 武道 >
< 理論 >
< 空手以外 >
< 空手論・空手哲学 >
< 液態での打撃攻防の極意 >

H4a1, H4b1, H4c1, H4d1@逆回転ホバーから@出方@基本動作@四つ足の構え@液態用@構え@デザイン例に加筆している時に肝心な事に気付いたので、ここにも書いておきます。
液態での打撃攻防では、敵の攻撃技のインパクト予定ポイントに、インパクト予定タイミングを過ぎてから出来るだけ早く敵に狙われた標的(自分の身体の部位)を置くのが、返撃の極意だと言えるのかもしれない。
つまり、如何にして敵の攻撃のインパクト予定位置・タイミングに標的(自分の身体の部位)が存在しないようにするかを普通は追求しがちだが、本当に追求すべき事はそれではなくて、敵の攻撃のインパクト予定タイミング以外には敵の攻撃のインパクト予定位置に標的(自分の身体の部位)が存在する様にするにはどうしたらいいか、なのだろう、という事です。
敵のパンチが届かなければ自分のパンチも届かないのだから、自分のパンチを届かせるには、どうしても敵のパンチが届く位置関係に自分から入る必要がある。
出来るものなら引き戻し中など空振り後の敵の怖くなくなった状態の拳に自分のアゴを自分から押し当てに行くぐらいの粘着性が無ければ返撃は出来ないのではないか。

私と敵で身体のサイズが違う場合には妥当しないし、また、私が敵の横に回り込んで敵を攻撃すればよい、という考え方も間違っていないので、以下に私が書く事が全てではないけれど、以下の様な事を思った。

例えば、私が敵のアゴに正拳連動式短前ストレート打ちを当てたければ、私は敵の正拳連動式短前ストレート打ちが当たる位置に自分のアゴを持って行くのが良い。
アゴ以外の標的、正拳連動式短前ストレート打ち以外の打撃技についても同様だ。
私の攻撃技が敵の被撃部位に当たる様に狙う代わりに、敵の攻撃技が私の被撃部位に当たる様に狙った方が便利だ。
私の攻撃技が敵の被撃部位に当たる様に狙う時には、狙う事は自分がしなければいけないが、敵の攻撃技が私の被撃部位に当たる様に狙う時には、最後の微調整は敵がやってくれる。
よくは思い出せないが、小学生の頃の私は第一印象的に、そう思った様な気がする。
その後、大人のテクニックの中にもっと良い方法が有るだろうと思いながら何十年も生きて来たが、多湖輝の「頭の体操」的な意味で、多くの事を学べば学ぶほど目が曇ってその真理を忘れて行ったが、結局そこを避けて通る事は出来ないみたいだ、と最近思う様になった。
敵に先に撃たれて命中させられてしまえば負けだから、それだけでは不十分だが、それではそういう位置関係を避ける事が出来るかと言えば、敵のパンチが私に届かない位置関係では私のパンチも敵に届かないのだから、避ける事は出来ない。

1発で倒せない技なら、当てられた後で敵と同じ技を直ぐに返せば必ず当たる、というのも有る。
これは、YouTube動画で見たローキックについて福地勇人さんがしている指導の中にそういう考え方が含まれているみたいだと思った。

敵の攻撃をバックステップでかわしてから返撃するというやり方は返撃の基本だと普通は考えられていると思うが、バックステップでかわせたなら、敵が空振り後にさらに前進しなければ、私の返撃も敵に届かないのである。
敵は空振り後にさらに前進するからそれでいいんだよ、と言われれば、そうなのかもしれない。
しかし、それでは、返撃の原理として、いまいち突き詰められていない気がする。

逆回転ホバーから出るH4a1, H4b1, H4c1, H4d1を分析していて私は、敵の攻撃が私に届かない本質はバックステップではなく攻撃中の姿勢が基本姿勢と異なる事に有る、という事に気付いた。

敵=攻撃中の姿勢 and 私=攻撃中の姿勢なら、私の攻撃は敵に届く and 敵の攻撃は私に届く。
敵=基本姿勢なら、私の攻撃は敵に届かない。
私=基本姿勢なら、敵の攻撃は敵に届かない。
したがって、敵が攻撃失敗後にさらに接近して来るという愚を犯さない限りは、返撃においては、攻撃失敗後の敵が基本姿勢に戻る前、まだ攻撃姿勢で居る間に、私は敵に自分の攻撃をヒットさせなければいけない事に成る。
かわすかわさないは、バックステップという重心位置の変更ではなく、基本姿勢と攻撃用姿勢のわずかな違いに掛かっているようだ。

敵の攻撃が届かない距離に成るまでバックステップで移動する、という考え方でも、その後、前へのステップで再接近して返撃すれば、届く届かないの計算は合う。
しかし、それでは、返撃が遅れてしまい、返撃までの間に敵は体勢を立て直す事が出来てしまう。
これでは、踏み込んで先撃するのと同じに成ってしまい、返撃ならではの持ち味を出せない。
逆回転ホバーから出るH4a1, H4b1, H4c1, H4d1では、良く見てみると、外八字立ちからAFS基本姿勢への移行で、アゴはあまり後退しない。

バックステップを使った返撃の原理として、2026年春に私が到達した考え方を、以下に図解します。
私は青色で、敵は赤色で描かれています。
バックステップを使った返撃をするのは私です。






















両者が攻撃中の姿勢の時にパンチが届くのは良いんだけど、
私が基本姿勢の時にも敵のパンチが届いてしまっている。























私が基本姿勢ならパンチが届かない所は良いんだけど、
両者が攻撃中の姿勢でもパンチが届かない。





















私が基本姿勢なら敵のパンチは私に届かない(=敵が基本姿勢なら私のパンチは敵に届かない)が、
両者が攻撃中の姿勢ならパンチが届く。









使








こう成る様に狙って敵が踏み込んでパンチを打ったり、踏み込まずにパンチを打ったりする場合、こう成る直前にバックステップを実行する。
ただし、敵が踏み込まずにパンチを打つ場合(パンチが届く位置に元から立っている場合)には、それをバックステップでかわすのは普通は無理だろう。
私は、こう成るように狙ってバックステップする。
バックステップ開始が早過ぎると、敵はパンチを打たないので、ギリギリ間に合うようにバックステップする。
運悪く敵のパンチが私の顔に当たっても、それは敵のパンチのインパクト・タイミングを過ぎてからに成る様に、しかし敵がまだ攻撃中の姿勢で居る間に当たる様に、私も敵にパンチを打つ。

空手の受け技(~払いなど)は、この時に敵の死に腕が私の攻撃の邪魔に成らない様に敵の死に腕をどける働きをする。
これは、銃撃戦で敵の薬きょうを踏んで転ばないように敵の薬きょうを掃除する事、に喩えられよう。









使







こう成る様に狙って敵が踏み込んでパンチを打ったり、踏み込まずにパンチを打ったりする場合、こう成る直前にバックステップを実行する。
私が遠過ぎる距離までバックステップする。
パンチが届く距離まで再接近する。
この時、敵の攻撃腕がまだ死んだままかどうか分からない。
私も敵にパンチを打つ。

敵が基本姿勢でも届くパンチを私は打つ事が出来るが、この時までに時間が経ち過ぎているので、この時には敵も2発目のパンチを打つ事が出来る。

これでは、私から先制攻撃したのと何も変わらない。
こうして見てみると要は、適正な距離での形を作る事(打ってはいけないパンチを敵に打たせる事)がバックステップを使った返撃の本質である様なので、意外な事にスウェイを使った返撃とあまり違わない。
スウェイの場合は胴や脚は逃げないし、追加でもう1回逃げ足す事が出来ない。
上体をのけぞらせた姿勢ではバックステップも出来ない。
またスウェイは、攻撃中の姿勢まで変形するのにかかる時間が長い。
しかしスウェイなら、敵が元からパンチの届く位置に立っていて踏み込まずにパンチを打つ場合でも、間に合う。
2025年までに井上尚弥の試合の様子を見て、井上尚弥が顔を前に出して、敵を罠にはめようとするシーンを多数回見た。
これまでは、それを奇策だと思っていたが、今回バックステップを使った返撃を分析してみて、スウェイと共にこれもほとんど原理は同じだな、と思う様になった。
奇策ではなくて、ボクシングの色々な枝葉をそぎ落とすと、究極的には返撃ってどれもコレをやってるんだよ、と言われるべき様な、種明かし技なのだな、と思うようになった。
敵がアレに引っ掛かれば、バックステップせずして、の形を作る事が出来る。
中央から後方に逃げるスウェイの代わりに、前方から中央に逃げれば、スウェイの欠点が無くなる。
返撃の本質は、打ってはいけないパンチを敵に打たせる事に有り、バックステップはその手練手管のひとつに過ぎない、と捉えるのが正しいようだ。
その極致がノーガード戦法だろう。

姿勢の変化が本質だという事に成ると、いわゆる前屈立ち、後屈立ちというものが実はすごく役に立つのではないか、という事に気付く。
私が後屈立ちに成る事によって敵の攻撃を失敗させた後すぐに前屈立ちで返撃する、という考え方は、空手に元々ある代表的な考え方のひとつの様だ。
しかし、後屈立ちから前屈立ちまで姿勢を変形するのにかかる時間は結構長いので、上手く返撃できないかもしれない。
先日YouTubeで白蓮会館の基本技の解説動画を見ていて、その中に白蓮会館流の前屈立ちと後屈立ちというのが出て来た。
動画の中でも、後屈立ちに成る事によって敵の攻撃を失敗させた後すぐに前屈立ちで返撃する、という使い方が説明されていたが、それが良さそうだと思うようになった。
前屈立ちと後屈立ちの切り替えが早そうだったので。
前足のカカトを地面から離せば後屈立ち、後足のカカトを地面から離せば前屈立ち、みたいな感じじゃなかったかな。
多分、宗道臣の少林寺拳法由来なんだろうなあ。
他の流派の前屈立ちと後屈立ちだって、前屈立ちなら必ず正対、後屈立ちなら必ず半身ってわけではなく、前屈立ちにも後屈立ちにも色々なヴァリエイションが有ったと思う。
後屈立ちとして、半身に成らず胴と顔を敵の方に向けたままの後屈立ちを選択すれば、白蓮会館の前屈立ち後屈立ちと同じ返撃性能を出せるのではないか。
ああ、でも、後屈立ちはバックステップの着地時の姿勢としては制動(ブレーキ)能力が悪いかもな。

こうして見てみると、返撃はギリギリスレスレで余裕が無い。
その点を改善するには、敵のパンチをバックステップでかわして蹴りで返撃する、というのが良いのではないか。
それなら、「パンチだけなら遠過ぎる距離」までバックステップして蹴る事になる。
蹴りは起動からインパクトまでの時間が長いから駄目なのか否かが成否の分かれ目だろう。
長蹴りではなく短蹴りで返撃する、というのが必勝パターンなのかもしれない。
これについて否定的な結果がF3a2@逆回転ホバーから@出方@基本動作@四つ足の構え@液態用@構え@デザイン例@理論に書かれています。
短蹴りでは蹴りが届かない、という結果です。

パリーでもブロックでもヘッドスリップでもダッキングでもスウェーでもバックステップでも、敵が空振りした後まだ攻撃中の姿勢で居る間に打ち返せれば、返撃成立という事ならば、これらの返撃手段の長所や短所を比較できる。
ガードを解いてパリーしたりブロックしたりするとやられてしまうぞ、という教訓が有るみたいなんだけど、パリーやブロックは必ず鬼早い返撃とセットでしか使わない、という風にしても駄目なんだろうか?
パリーだと返撃は同時には出来ないけれど、ブロックなら返撃をブロックと同時に出来るのではないか。
ヘッドスリップやスウェーは、攻撃中の姿勢まで変形するのにかかる時間が基本姿勢から変形する場合よりも長いので、その分返撃性能が低いのだろう。
しかし、ヘッドスリップしながら打つパンチというのも有るみたいだから、それは別。
ダッキングしながらパンチを打つというのも、大体そんな感じか。
やはりダッキングの沈み込んだ姿勢から普通の攻撃中の姿勢まで変形するのにかかる時間は基本姿勢から変形する場合に比べて長いだろう。
バックステップなら基本姿勢から攻撃中の姿勢まで変形すればいいので、その点はバックステップが一番いいのではないか。
そうすると、パリー即返撃、ブロック即返撃、バックステップ即返撃の3つがベスト3の様に思える。
これらに問題点は無いのか。
バックステップは、折り返して再前進するほどでは無いけれど、着地点で瞬間的に基本姿勢が完成するわけではなく、錬度が高い人は形にはほとんど出ない様にする事(着地と同時に基本姿勢の形が完成している事)が出来るかもしれないが、そういう人でも着地時に必ず姿勢に内部歪みが生じていて、その歪みが消失するまでに多少なりとも時間がかかるだろう。
出来ても体に悪い、関節を傷める、というのも有ると思う。
この部分の時間的遅れという物が攻撃中の姿勢への移行を遅らせ、これが返撃性能としてはマイナスにカウントされるだろう。

パリーやブロックは、敵が私のどこを攻撃して来たかを判断しなければいけないところが欠点だろうか。
バックステップは判断しなくてよい、距離とタイミングだけ見ていればよい。
敵は空振りさせられた場合よりもブロックされた場合の方が次を早く撃てる(=崩れが小さい)、という事情も有りそうだ。


早さ 返撃の威力 長所 難しい点 欠点
パリー バックステップでは近過ぎる距離でも出来る。
姿勢を変えなくて良い。
来る来ない、何処に来るかを見破る必要がある ほとんど対パンチのみ。
ブロック バックステップでは近過ぎる距離でも出来る。
姿勢を変えなくて良い。
視界がふさがれる。蹴られると傷む。
ヘッドスリップ(ノーガード) 戻って打つ バックステップでは近過ぎる距離でも出来る 姿勢の安定性が減る。上段以外への攻撃は防げない
戻らず打つ バックステップでは近過ぎる距離でも出来る 姿勢の安定性が減る、上段以外への攻撃は防げない
ダッキング 戻って打つ バックステップでは近過ぎる距離でも出来る 姿勢の安定性が減る、上段以外への攻撃はほとん防げない
戻らず打つ バックステップでは近過ぎる距離でも出来る 姿勢の安定性が減る、上段以外への攻撃はほとん防げない
スウェー 追加で逃げる事が出来ない。上段以外への攻撃は防げない
バックステップ 正しい位置に着地する加減が難しい。 背後のロープに近付いてしまう。ロープを背負うと出来ない


バックステップの原理を分かっている人は、バックステップが有効に機能する距離から踏み込む事を最初からしない、という風に成るだろう。
そこからではバックステップで処理し切れない、という距離まで接近して、そこから踏み込むだろう。
その先は、どう成るんだろう。
そういう接近の仕方は何かに弱いんだろうか。
敵が打って来ない、というのがバックステップの最大の欠点ではないか。

敵のこの踏み込みは攻撃の踏み込みなのか、準備の踏み込みなのか、という事をもし私が的確に見破れれば、準備の踏み込みに合わせて私が先に攻撃を仕掛ければ敵は負けてしまう、という事かもしれないなあ。
YouTubeで谷沢げんきという伝統空手(BFS空手)の先生が「1の間合い」「2の間合い」「3の間合い」という言葉を使って説明していた世界が、そういう攻防の様だった。
kしかし、ガードの存在を考えに入れると、また違った結論に至るかもしれない。

BFSで跳び込めばAFSのカウンターを受けにくい、チマチマした事を考えなくてよい、という面は有ると思う。
けれど、AFS派の人はやらないけど、BFSにはBFSのカウンターがあるので、BFSで跳び込めばフリーパスってわけでもない。
また、野球のバッティングみたいにやれば出来そうだと私が言うように、BFSにAFSでカウンターする事も有り得ると思うし、実際にYouTube動画でそういう技を連続多数回成功させる様子を見た事も有る。
AFS派の人はやらない、というだけで、出来ないわけではないんだと思う。



以下は、考え中の標語です。
勝負は、どうしてもしなければいけないものである。
恐怖の早撃ち勝負は不可避である。
粘着性を保持せよ、パリッと割れた様に敵から離れてしまったら振り出しに戻る。
不発弾に頬ずりする気持ちで粘着しろ。
インパクトの瞬間以外は敵の拳に自分のアゴを自分から押し当てに行くぐらいのつもりで居ろ。



最終更新2026年03月20日