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出方 四つ足の構え


迎撃や返撃で、半分を構成する四つ足の構えは高級大理石で出来ているのに、もう半分を構成するAFSや蹴りは粗末な材木で出来ているようなものだ。

アインシュタインが発した有名な言葉をヒントに、上の言葉を思い付きました。
インターネットで調べると、木岬さんぽさんのsampofruits.la.coocan.jp/origin/result1-11.htmに、次の様に書かれていた。
アインシュタインの厳しい目で見れば、重力場方程式の左辺は時空の幾何学によって表現されており堅固な物と言ってよかったが、右辺の方はそうとは言えなかった。
彼は、この方程式の事を、お粗末に設計された建物になぞらえて、半分は高級大理石で出来ているのにもう半分は粗末な材木で出来ているようなものだ、とけなした事まであった。
ただし、ここでは、「て」「に」「を」「は」レベルの変更をしました。

標的(敵の被撃部位)は可動だと考えるが、標的の元の位置から点Pまでの水平距離(標的から床に下ろした垂線の足とPから床に下ろした垂線の足の距離)を何らかの大きな定数Dから差し引いて得られる距離d、で点Pの位置(技のリーチ)を表す事にする。
 
青色の線分を第4状態とする四つ足の構えホバーから出る場合を考える。

胴の向き=右

胴の向き=左

自動織機の中に落したコインを拾わなければいけない様な状況に敵を追い込む、というコンセプトです。
基本的なアイデアは、ホバーから出る動きがホバー続行の動きと似ていて紛らわしいので、そこで敵が間違ったり遅れたりする事を期待できる事です。
これは、野球の投球で変化球はバッターに近付くまで直球と区別が付かない方がバッターが打てないのと同様です。

敵の攻撃を空振りさせるとか詰まらせるというのは、四つ足の構えの動きによって図らずもそう成る、四つ足の構えの動きに敵が着いて行けなかったためにそうなる、というぐらいに解されるべきであって、敵のパンチやキックに反応して自分が動きを変える、というのではありません。
例えば順回転から出るF5bの「第4状態から第5状態基本形へ移行する動きで敵の攻撃を空振りさせる」という選択が第4評価期間中つまり空振りさせるのと同じ時期に決断されるのは、そのためです。
敵が空振りするように自分が動きを変えるのなら、そうしようという決断はもっと早く行なう必要が有ります。
だから本当は、「第4状態から第5状態基本形へ移行する動きで敵の攻撃を空振りさせ」ではなく「第4状態から第5状態基本形へ移行する動きで敵の攻撃が空振りするのに乗じて」と考える方が正確です。
自動織機の中に落したコインを拾わなければいけない様な状況に敵を追い込む、というコンセプトです。
自動織機の動きは規則的だけど、大抵はその動きの隙を突く事に失敗して手に怪我を負う。

四つ足の構えから出てAFS用姿勢に移行する様子は、椅子取りゲームに喩えるべきではないかと思う。
リーチが中ぐらいのAFSに適した距離にAFS用姿勢を作ると、敵の回避運動によってそのAFSが出来なく成っても、即座にリーチがもっと長いAFSかリーチがもっと短いAFSに切り替えれば自分の攻撃が敵に届きます。
この考え方は、戦艦の斉射砲撃についての夾叉(きょうさ)という戦術概念からヒントを得ました。
戦艦の砲撃の夾叉の場合は、実弾着が敵艦の現在位置を挟む(=将来位置を網羅する)のに対して、四つ足の構えから出てAFS基本姿勢に移行する場合は、可能リーチが敵の現在距離を挟む(=将来距離を網羅する)+敵の現在距離にも対応している、という風に成っています。
戦艦との違いは、戦艦は急停止できないが人は回避運動しない事も出来る、という点です。
分かり易く言うと、踏み込みでは独立式縦正拳ストレート打ちを当てるつもりで踏み込み、実際には連動式正拳前ストレート打ちや連動式肘刀前ストレート打ちに即席で切り替える、という事です。
AFSの宿命である機動性の無さのせいでアキレスと亀に成るのを、これで防げるのではないか。

四つ足の構えよりもAFS基本姿勢の方が腰の高さが若干低い。
四つ足の構えでは両手を腰の高さに配置しておき、四つ足の構えから出てAFS基本姿勢に移行する時に両手を肩の高さまで上げる事によってダウンフォースを得て、AFS基本姿勢の完成を早めます。
力学的に正確な言い方は以下です。
重心の下降加速度は足裏が床から受ける抗力と全体重で決まる。
膝を急屈すれば足裏が床から浮ける抗力をゼロまでなら減らす事が出来るが、それでも重心の下降加速度は最大で重力加速度9.8m/s^2までしか上がらない。
腕を上昇させれば腰と重心の高さの差が変化し、つまり重心に相対的な腰の下降加速度が生じ、重力加速度にこれを加算した物が腰(や肩や頭)の下降加速度に成る。
普通は、腕を上昇させれば重心は上に移動する、という風に認識されている事だろう。
しかし、これは、重心が身体のどの位置にあるかを言ったものであり、いつでも重心は床に対して上に移動する、という意味ではない。
今考えている問題は、重心の下降加速度が9.8m/s^2に固定されている場合であり、これが増えたり減ったりするのではないから、重心が身体の上の方に移動するという事は、身体(の腕以外の部分)が9.8m/s^2より大きな加速度で下降する、という事を意味します。
ただし、前や後ろに踏み込む実際の場合では、足裏が床から受ける抗力をゼロに出来ないので、重心の下降加速度はもっと小さく成ります。
フォアハンド打ちの始状態に移行するH2c2では片手のみ肩の高さまで上昇させ反対の手は腰の高さに保ちます。
バックハンド打ちの始状態に移行するH2d2では両手を腰の高さに保ちます。
真横へのストレート打ちの始状態への移行では、ガード腕のみ肩の高さまで上昇させるか、移行動作とストレート打ち動作を合成して両腕を肩の高さまで上昇させます。

例えばホバー順回転の第4状態から出てAFSする場合、第3状態から第4状態への移行で床から離す足に第4状態であまり体重を乗せなければ(第4状態を不完全化すれば)、AFS開始を早める事が出来ます。
ただし、その場合、第4状態で引き返さない事を敵が早期に察知してしまう危険が有ります。
蹴りの場合は逆です。
例えばホバー順回転の第4状態から出て蹴る場合、第3状態から第4状態への移行で床から離す足に第4状態でしっかり体重が乗るまでは蹴りを開始できません。
第3状態から第4状態への移行で床から離す足に第4状態で最初から全体重を乗せる形に第4状態を不完全化すれば蹴りの開始を早める事が出来ますが、その場合、第4状態から蹴る事を敵が早期に察知してしまう危険が有ります。
四つ足の構えの各状態の基本は両足均等加重です。

最初は第1状態や第5状態から第6状態に移行する代わりに1つ後ろの区画の第5状態や第3状態に移行してそこから蹴る、という出方も採用しようと思いましたが、結局それはやめて、蹴りの起点としてはホバー中や直進中の状態だけを採用しました。
第1状態や第5状態から1つ後ろの区画の第5状態や第3状態に移行した直後というのは体勢に余裕が無く、蹴るには向かないと判断しました。

数値は大体合ってると思うけど、今後の研究でもっと正確な数値が得られ次第、最新の値に書き換えて行くつもりです。

d - D の値に添え書きされている記号の意味は以下です。
(基)は、実測に基づく数値です。
(算1)は、足位置の違いと(基)の数値から中学数学程度の計算で出した数値です。
(算2)は、同じ足位置での静リーチの違いと(基)や(算1)の数値から小学算数程度の計算で出した数値です。
(測)は、実測に基づくが、(算1)や(算2)に利用されなかった数値です。
(算2)で、有フレキシング・ストレート打ちでは正拳と肘のリーチ差は0.55スネ、無フレキシング・ストレート打ちでは縦正拳と肘のリーチ差は0.45スネとして計算しました。
フレキシングの有無によってリーチ差が異なるのは、有フレキシングなら肘が伸び切るので前腕は水平だが無フレキシングなら肘が伸び切らないので前腕は水平でないからです。

T1は第1状態への移行が完了する時刻、・・・、T6は第6状態への移行が完了する時刻です。
打蹴技起動可能始までの時間は、デジカメの30fps動画撮影結果のコマを数える事によって測定しました。
30fpsだと1コマ0.0333・・・秒ですが、多数回撮影して平均を取る事によって平均値としては精度0.01秒を目指しました。
インパクト可能始は、起動から接触開始までの時間だけ打蹴技起動可能始より後です。

両足を床に着けたままの場合と踏み込んだ直後の違いや、前に踏み込んだ直後と後ろに踏み込んだ直後の違いは、未研究です。
足を当てる蹴りでも、足前底を当てるのか足背を当てるのかカカト背を当てるのかカカト底を当てるのかでリーチが違う可能性が有るが、実際にやってみると、足前底を当てる前蹴りよりも足背を当てる回し蹴りの方が腰を大きく回転させるので両者のリーチに違いが見られないなどの事情が有るようだ。
厳密な確認は今後に待たねば成らないが、ザックリ確認した結果に基づいて、当面は足のどこを当ててもリーチは同じだとしておく。

「選択」という言葉は最終決断を表すものとします。

選択肢番号の読み方は以下です。
HNa = 独立式縦正拳短前ストレート打ち。
HNb = 独立式縦正拳長前ストレート打ち。
HNc = 連動式正拳短前ストレート打ち。
HNd = 連動式正拳長前ストレート打ち。
HNe = 連動式正拳横ストレート打ち。
ENa = 独立式短前ストレート肘刀打ち。
ENb = 独立式長前ストレート肘刀打ち。
ENc = 連動式短前ストレート肘頂打ち。
ENd = 連動式長前ストレート肘頂打ち。
ENe = 連動式横ストレート肘頂打ち。
H = 手打ち。Handの頭文字。
E = 肘打ち。Elbowの頭文字。
F=足蹴り。Footの頭文字。
K=膝蹴り。Kneeの頭文字。
N = 1, 2, 3, 4, 5, 6 ・・・ 第N状態から出て攻撃する。
a = 独立式短前ストレート打ち。
b = 独立式長前ストレート打ち。
c = 連動式短前ストレート打ち。
d = 連動式長前ストレート打ち。
e = 連動式横ストレート打ち。

靴を履いている場合は、足前底を当てる前蹴りに足爪先を当てる前蹴りを代用できる。
足前底を当てる前蹴りに足背を当てる金的蹴りやスネを当てる金的蹴りを代用する事も出来る。
前足の足前底を当てる前蹴りに前足の足前底または足背を当てる回し蹴りを代用した方が良い場合も希に有るだろう。
いずれも代用すればリーチは相応に変化する。
足刀を当てる横蹴りにカカト底を当てる横蹴りを代用する事も出来る(リーチ不変)。

「敵に遠い」という言い方は日本語としては多分間違いですが、「敵に近い」という言い方に揃えました。
「敵から遠い」とか「敵まで遠い」という言い方が日本語としては正しい。
例えば、順回転ホバーから出るF2b1の説明に「第2状態後形から敵に遠い方の足のカカト底を当てる」という表現が見られますが、これを「第2状態後形から敵から遠い方の足のカカト底を当てる」とか「第2状態後形から敵まで遠い方の足のカカト底を当てる」と書くと、「から」が重複したり、「から」と「まで」が呼応に見えたりするので、読み難い。
「前足」「後足」という言葉は、四つ足の構え直進の「前足」「後足」と一致する場合にのみ用いました。

打技起動可能始までの時間の、2023年07月21日時点での測定結果は、以下です。
前に踏み込んで 後ろに踏み込んで
AFS基本姿勢に AFS真半身姿勢に AFS基本姿勢に AFS真半身姿勢に
第6状態から後足を 0.58秒 0.73秒 0.53秒 0.95秒
第4状態から 0.51秒 0.74秒 0.59秒 0.98秒
第6状態から前足を 0.48秒 0.66秒 0.64秒 0.96秒
--- --- --- --- ---
第3状態から後足を
= 第5状態から敵に遠い方の足を
0.72秒 0.81秒 0.42秒 0.73秒
第1状態から後足を - - 0.59秒 0.60秒
--- --- --- --- ---
第5状態から敵に近い方の足を
= 第3状態から前足を
0.43秒 0.56秒 0.70秒 1.02秒
第1状態から前足を 0.47秒 0.47秒 0.81秒 1.06秒
--- --- --- --- ---
第2状態から前足を - - フォア0.75秒 -
バック0.77秒
第2状態から後足を フォア0.78秒 - - -
バック0.82秒
第2状態から前足を後ろに踏み込むとは、第3状態の方へ踏み込む事を言います。
第2状態から後足を前に踏み込むとは、第1状態の方へ踏み込む事を言います。
第3状態から後足を後ろに踏み込むとは、後足を踏み替える事を言います。
第3状態から前足を前に踏み込むとは、前足を踏み替える事を言います。
第1状態から後足を後ろに踏み込むとは、後足を踏み替える事を言います。
第1状態から前足を前に踏み込むとは、前足を踏み替える事を言います。
前足をFで表し、後足をRで表し、前に踏み込む事を↑で表し、後ろに踏み込む事を↓で表し、AFS基本姿勢を基で表し、AFS真半身姿勢を半で表し、例えば第6状態から後足を前に踏み込んでAFS基本姿勢に移行するのに掛かる時間を6R↑基と書く事にする。
すると、以下の様な大小関係が見られる。
3R↑基 > 6R↑基 > 4↑基 > 6F↑基 ≒ 1F↑基 > 3F↑基。
3R↑半 > 4↑半 ≒ 6R↑半 > 6F↑半 > 3F↑半 > 1F↑半。
3R↓基 < 6R↓基 < 4↓基 = 1R↓基 < 6F↓基 < 5N↓基 < 1F↓基。
1R↓半 < 3R↓半 < 6R↓半 < 4↓半 ≒ 6F↓半 < 5N↓半 < 1F↓半。
6R↑ < 6F↓、 6F↑ < 6R↓、 4↑ < 4↓.
5Nは、第5状態から敵に近い方の足を動かす、という意味です。
移動が大きいほど移動に掛かる時間は長いはずだ、という目で見ると、大体もっともらしいが、以下の疑問が生じる。
6R↑半 < 4↑半 という測定結果は間違ってるのではないか。
4↓半 > 6F↓半 という測定結果は間違ってるのではないか。
3R↑基 > 5N↓基 という測定結果は間違ってるのではないか。
本当は基も半も 3R↑ < 5N↓ ではないだろうか。
3F↑基 > 3R↓基 という測定結果は間違ってるのではないか。
本当は基も半も 3F↑ < 3R↓ ではないだろうか。
1F↑基 = 1F↑半
という測定結果は間違ってるのではないか。
本当は例外なく 基 < 半 ではないだろうか。
全般的に、デジカメでの撮影結果をコマ送りで調べた時に、移動開始がどのコマで、移動完了がどのコマかを識別するのが困難だった。
全体として1コマ(0.033秒)余計に数えてしまっているなどの間違いが含まれている可能性も有る。
また、日を改めて測定し直す度に違う結果が出る事が多かった、つまり測定結果のバラ付きがひどかったので、正しく動けてない回の試行の分までカウントしてしまっている、という間違いも含まれているだろう。
けれど、大体の目安は得られたと思われる。
測定では、各移動を30回ずつぐらい試行したが、30回のうちの序盤、特に最初の1回は平均値よりも移動に掛かる時間が長かった。
繰り返すうちに慣れて要領が良く成り、時間が短く成って行くからだろう。
例えば4↑基の測定結果の生データ(コマ数)は、
19,15,15,16,16,17,15,15,16,13,15,13,15,15,15,15,15,15,15,16,14,13,13,16,17,14,16,16,16,16
ですが、1回目の試行の測定結果19は平均値15.44よりも3コマ(約0.1秒)だけ多い。
平均値の計算においては、19と13をベストでない身体運動に対するものと見なして除外しました。
実戦では、最初の1回が出て来るので、上の表に書かれている平均値よりも長い時間が掛かると思わなければいけないだろう。

インパクト可能始までの時間は、打蹴技起動可能始までの時間に打蹴技の起動からインパクトまでの時間を足す事によって算出しました。

順回転ホバーから 出方
逆回転ホバーから

下書き


四つ足の構えから蹴り四つ足の構えに戻る(狭マット内に収まる物)2023年12月26日撮影分@液態用ステップ@空手の技@動画

四つ足の構えから蹴り四つ足の構えに戻る(屋外撮影)2024年01月01日撮影分@液態用ステップ@空手の技@動画

四つ足の構えから後回蹴りし四つ足の構えに戻る(2024年01月02日撮影分)@液態用ステップ@空手の技@動画


最終編集2024年06月12日