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人体の重心を自力で加速する時の加速度の大きさには、重力の大きさによって定まる限界が有る。
その事は、表面での重力が地球の重力の6分の1である月の表面を歩く宇宙飛行士の映像を見れば分かる。
地面では、月面より重力が大きいので月面におけるよりも大きな加速度で移動できるが、それは月面の6倍に成るだけであって、表面での重力がもっと大きい天体に住む宇宙人がもし仮に居たとすれば、その宇宙人の目には、地面での我々人間の自力での移動の様子は、月面での宇宙飛行士の様に見えるはずです。

ジャンプして地面から離れてしまってもよいなら、重心の加速度は、脚の筋力次第で幾らでも大きく出来ます。
しかし、地面に平行に移動する場合には、脚の筋力を幾ら鍛えても、重力が変わらない限り、重心の加速度の上限は変わりません。

空手の構えに、地面に垂直なジャンプを小刻みに繰り返す構えが有りますが、この様な運動を使えば、使わない場合の重心加速度の上限よりも大きな加速度で重心を地面に平行に移動させる事が出来ます。
この事を私は長い間考え落としていました。
気付いたのは2025年です。
この事情は、下図の状況を考えれば、直感的に理解されます。
 
高い位置から球を落とした方が、水平方向の加速時間が同じでも、結果の水平速度は大きく成る。
下向きの運動を押し返して止める事を地面にさせる事によって、自分で重力を追加した様な効果を出す、という風に理解する事も出来ます。
ちなみに、この原理は野球の盗塁でも活用できますよね。

ただし、地面に垂直なジャンプを小刻みに繰り返す構えからでは、水平に飛び出すタイミングが限定されてしまう。
そのデメリットまで合計すれば、やはり、抽象的な意味では、人体の重心を自力で加速する時の加速度の大きさには重力の大きさによって定まる限界が有る、と言えるでしょう。





最終更新2025年10月01日