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戦術と戦略という2つの語の広く通用する意味については、私には、何となく程度しか分らない。
理論@武道@宇田英才教室では、戦術という語を、空手行為のうちの、小脳化された運動を指し示す語として用いる。
具体的には、単技、複合技、条件反射、を指すものとし、これをハードウェアと考える。
「小脳化」というのは、IT用語で言うと「ROM化」に当たる。
以前の私は、技、戦術、戦略、という分け方をしていた。
このうちの技は戦術に含める事にした。
戦略はソフトウェアに含める事にした。

私による新分類 私による旧分類
ハードウェア=戦術 技=単技
戦術=複合技, 条件反射
ソフトウェア 低級判断
戦略=高級判断


昔書き掛けた文章を、とりあえず以下に掲載しておきます。
後日しかるべき場所に移動したい。
条件反射の形成

後で書き直します。

空手に限らず格闘技のトレーニングの目的は最終的には、もちろん強くなる事だが、そのための中間的目標の中で条件反射能を形成する事が大きなウェイトを占めていると思う。条件反射は、頭で考えて反応するのではなく、特定の刺激に対して頭で考えるよりも早く体が動いている、といった類の反応で、主にディフェンスにおいて要求される能力だが、攻撃のためにこの能力を活用する事だって考えられる。条件反射能を発達させるためには、長期にわたる反復練習が必要だ。さて、この条件反射が多岐に渡って出来る様になれば、その人はかなりの使い手と言えよう。しかし、格闘時の動きを全面的に条件反射に委ねる事にはリスクがある。それは、敵がこちらの条件反射を利用して攻撃して来る可能性があるからだ。つまり、条件反射によれば刺激に対する反応が決まり切っているので、敵にこちらの動きが読まれる危険性があるのだ。そのような強力な敵というものは滅多に居ないと思う。しかし、少なくとも理論的には、敵の条件反射を利用した攻撃、というものが考えられる。そこで、かなりの使い手のレベルに甘んじる事なく、もっと強く成りたければ、こちらの条件反射を利用した敵の攻撃、というものに対する対策を考え身に付ける必要がある。どうすれば良いか、無意識のレベルで起こる条件反射を意識的にオン・オフ出来る様に成れば良い。

空手の型

後で書き直します。

伝統空手の型は、4つの特徴を持っている。一つは攻撃技からではなく防御技から始まること、二つ目はサンチン立ち(足を前後というよりもむしろ左右に広げた立ち方)のような非実戦的な立ち方を含むこと、三つ目は運足法(フットワーク)が組み手において見られる様な跳躍的なものではなく、ノソリノソリとした歩行的なものであること、四つ目は想定する敵の人数が4人など多人数であることだ。いずれにしてもこれらの特徴は、伝統空手の型が、善意に解釈して鍛錬目的のものであって、そっくりそのまま実戦で使用できるものではない事を意味する。一人の敵を倒す事すらままならないのに、4人の敵をどうやって倒すんだ?ビート・タケシに出演してもらいたいよ。型演舞中の空手選手が「エイ」と声を出しつつ技を極めた直後にタケシが後方から選手の頭をハリセンで叩く。一同ドッと笑うってね。また、寸止め競技空手では、先を取れ、という事が盛んに言われる。この点も防御技から始まる型と違う。フットワークも、跳躍的な運足と歩行的な運足とでは技そのものの威力発生のメカニズムに決定的な違いが出て来る事を高岡英夫は指摘した。以上の僕の型批判を聞いてもなお、鍛錬目的であるとか、極めればそっくりそのまま実戦でも使えるとか、型擁護論を説く人は多いだろう。僕よりも空手に造詣の深い人の口からは特にそういう言葉をよく聞く。しかし、僕はいつも自分の今の時点の理解で達成しうる最善を指針として行動するから、伝統的な型を否定する。この態度が間違ってたら、それに気付いたときに態度を改めれば良い。進歩的な芦原空手の型では、複数の敵を想定しない。一人の敵だけを想定する。フットワークだってノソリノソリではなく、組み手のフットワークが型に取り入れられている。立ち方ももちろんサンチン立ちなんて出て来やしない。芦原ほどの空手マンが伝統空手の型を捨てたのだから、僕の型批判は的を射ていると自信を持てる。しかし、その芦原ですら、彼の自作の型は防御技から始まる。彼の売り物がサバキだったからそうならざるを得ないのだろう。僕も型を作りたいが、経験が不足しているのと、研究の手助けをしてくれる(敵役を演じてくれる)人がいないから、当面は出来ない。僕は、型と言うよりはコンビネイションを作る、と意識した方が良いと思っている。型は長すぎる。これは型の5番目の特徴になるかな。あんな長い型どおりに敵が動いてくれるものなのかどうなのか?僕の型は先制攻撃から始まるものと、敵に先に手を出させての反撃から始まるものの2種類にしようと思ってる。後者は実戦使用時には難度が高いので、前者が出来る様になってから後者を身に付ける様にしたい。