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< かくも啓発に満てる物理学は > | ||||||||||
このページの内容は下書きです。 僕は物理学の勉強に、日常に対する常識とは異なる観点の獲得、を求める。 物理学では、日常生活で出くわす事のない非日常的な現象を考える。 そして、その様な現象を考えるときには、常識の破綻が起こる。 つまり、日常を理解するために十分な概念構成が、極端な物理現象を理解するためには役に立たない事が発見されるのだ。 その場合、物理学者は極端な物理現象を理解するための新しい概念構成を発明しなくてはいけない。 さらに、その様にして獲得された新しい概念構成は極端な現象に対してのみならず日常を理解するためにも用いられ得る。 つまり、このような新しい概念構成の発明は、特殊な現象の理解にのみ関与する特殊な発明ではなく、常識の概念構成への修正でもある。 この修正を自覚する事は非常に啓発的である。 科学を一般に向かって紹介する場合、聞き手の知らない新しい事実で、聞き手の知っている事実との関わりが弱いものを、聞き手の知識に付け加える、という形の紹介の仕方は、啓発的ではない。 聞き手の知識に修正を迫る、ないしは組み替えを迫る事実の紹介で、かつ、聞き手が既に持っている知識だけから論理的に導き出す事が出来るが聞き手は気付いていないようなものを、指摘することこそが、聞き手をハッとさせる真に啓発的な指摘である。 物理学上の真理を新たに知る事によって常識の概念構成が修正を受ける場合にも、物理学上の真理はヒントであって、それを外から教えられなくても、自己に内在する知識のみから、常識の概念構成へのその修正が導き出されることを自覚するとき、その自覚は最高に啓発的なものとなり、そういうときにこそ、我々はハッとするのである。 |
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