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2021年11月05日(金曜日)
科学的方法の犯罪捜査への応用

犯罪の立証において「科学的であれ」という要請は、普通は、犯罪事実が証拠の必要条件である事を示せ、という意味に解されている。

つまり、証拠を前提にすれば犯罪事実がこうでしか有り得ないという事を数学みたいに演繹で証明しろ、という風に解されている。

しかし、物理学などの科学が真理を突き止める為に使っている方法は、そういう方法ではない。
例えば、物理学の基礎法則を証拠から演繹で導き出すなんて事は、物理学はやってないのである。
出来るものならそうもするだろうが、そんな事は無理なのである。

それでは、科学はどういう方法を使うか。
それは、仮説が証拠の十分条件である事を証明する、という方法である。
噛み砕いて言うと、これは、予言の的中をもって預言者に予言能力が有る事が証明されたと判断する方法です。
もっと噛み砕いて言うと、天気予報が的中したのは天気予報で使われている考え方や情報が正しいからだ、とするタイプの考え方です。
これを科学的方法と呼ぶ事にします。

科学的方法は数学の証明ほどには確実ではありません。
数学で証明された事は絶対にそうであり、そうでない可能性は微塵も有りませんが、科学的方法で真理だと判断された仮説は、ひょっとすると間違っているかもしれません。
なぜなら、証明された仮説とは異なる別の仮説からでも証拠に一致する同じ結論が導き出されるかも知れないからです。
その様な別の仮説が他に(数学的な意味で)存在しない事を証明する事は実際問題としては不可能です。
日本語でトンデモと呼ばれるジャンルがある英語のウェブディレクトリではalternativeと呼ばれていた背景には、この考え方が有ると思われます。
alternativeは「他の選択肢」という意味です。

それでは、科学的方法は証明の手段としては実用に耐えないでしょうか。
そんな事は有りません。
天気予報の例を見れば分かる様に、1日や2日的中したぐらいでは予報を出すのに使っている考え方や情報が正しいとは限りませんが、1年間連続で1日も外れないとか、10年間連続で1日も外れないと成ると、これはもう、予報に使っている考え方も情報も正しいからだとしか思えません。
つまり、その様な、的中させるのが著しく困難な予言で評価するなら、科学的方法でも、大きな確からしさでの判断が出来るわけです。

また、数学みたいに演繹で証明したつもりでも、途中で物理法則を使っていれば、それは数学みたいな証明には満たないので、現実の問題を判断する上では、科学的方法の確からしさを超える事は出来ません。

そこで、この科学的方法を、犯罪捜査に応用できないか考えてみました。
従来の捜査方法では、犯罪事実が証拠の必要条件である事を証明しようとするから、ハードルが高過ぎて行き詰まってしまう事が多い。

色々な陰謀説の検証には科学的方法が使えるのではないか。
また、コンピュータ・シミュレーションで法律(体系)をアセスメントすべきだ。
この法律(体系)だとどういう犯罪が出現する、といった事が分かるでしょう。
集団ストーカーなんかは、それで算出されるんじゃないですか。