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2019年07月21日(日曜日)
学問の社会的意義

一昨日ごろ産業廃棄物の処理業者のテレビ番組を見ながら父に向かって私が述べた訓話を以下に掲載します。
この訓話は、何年も前、事によると何十年も前に、既に私の口から出た事が有る内容です。
なお、以下は私の発言内容そのままではなく、私の発言内容を敷衍(ふえん)した物です。

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どこをどう工夫しても解決出来ない問題、そういう問題を本気で解決しようとする人は必ず学問をする。
例えば、資源の有限性とゴミ処理の限界、これらの問題を解決できるかもしれないのは学問をおいて他に無い。
学問をもってしても解決できないかもしれない。
しかし、学問でなら解決できるかもしれないし、解決策は学問の外には絶対無い。
資源の有限性の問題はリサイクルで解決できる部分も有るだろうけど、同一の資源にリサイクルを何回も繰り返すと材質が劣化していずれは使えなく成るだろうから、リサイクルも限界の引き伸ばし工作に過ぎない。
また、資源の中でもエネルギー資源については、限界の問題が不可避だ。
化石燃料は、枯渇予想時期が何度も何度も楽観的な方へ更新されているとは言え、枯渇するのは、あまりに先の事だから考える必要が無い程に遠過ぎる未来、ではないはずだ。
アメリカ合衆国でシェールガスが発見されて、これなら40年もつ、と言ってますが、40年なんて直ぐ経ちます。
それに、化石燃料にしても核燃料にしても、二酸化炭素排出による地球温暖化問題や、核廃棄物の最終処分の問題という形で、入りの側ではなく出の側であるゴミ問題の解決限界の制約を受ける。
だから、資源の有限性とゴミ処理の限界の問題は、現代人の知恵では、どこをどう工夫しても解決できない問題だ。
その上、地球温暖化の問題も核廃棄物の最終処分の問題も、遠い未来でないだけでなく、切迫しているとすら言える。
この様にどうしても解決できない問題を人類が抱えている状況、を私は、全方位有限な大地を直進する列車に例える。
 
古代人の誤った地球認識に似たこの大地を直進する列車は、いずれ縁に達して崖から転落する。
これが人類滅亡である。
列車は停車する事は出来ない。
停車は経済の停止を意味するので、停車すればみんな飢餓で死んでしまう。
速度を落とす、節約する、という手は有るが、これでも滅亡を遅らせる事しか出来ない。
政治家が良く働いてみんなが仲良くなり世の中から戦争が無くなっても、警察が優秀で世の中から犯罪が無くなっても、医学が発達して世の中から病気が無くなっても、テクノロジーが生活を便利にしても、資本家が賢く投資し経営者が賢く経営し労働者が勤勉に働いてみんなが豊かに成っても、芸能人が毎日を楽しくしてくれても、そのおかげで滅亡が無くなる、という事は無い。
むしろ、それらが良く機能すればするほど、列車の走行速度は高まって、滅亡が早まる面が有る。
これは、ローマクラブの「成長の限界」という指摘の次に来るべき指摘なので、既に然るべき筋から発せられているかもしれない。
世の中の役に立つ仕事だと言われている物は全て、列車の運転、整備、補修、改良、車内でのサービス提供ばかりです。
これらの仕事が幾ら頑張って良い結果を出しても、それは基本的には人類の滅亡とは無関係です。
人類の滅亡は不可避だという問題を本気で解決しようと思ったら、学問をやるしかありません。
それなのに、純粋な学理の追求は世の中の役に立たない仕事だ、という風に言われる。
言ってるのは誰か?
車内業務のやつらだ。
それはおかしいんじゃないのか、という事なんです。
私は、人類の滅亡を無くそうとして学問をやっているのではありませんつもりです。
しかし、自分のやってる分野はそういう分野だ、という事を分かっているし、心の底には人類滅亡の問題を解決してやろう、という気持ちが実は大きく存在しているのかもしれません。
学者は、人間の労働環境の中で最も良好な環境を研究環境とし、やりたい事だけをやりたい様にやる、納期もノルマも無い、研究が成功して適正な評価を受ける事が出来れば自尊心も他の業種よりも良く満たされる。
そんな悠長な事をやっていても、人類滅亡までには猶予期間としての時間が十分に有る。
だから、誰かが解決してくれる事は十分に有り得る。
それは、ひょっとしたら自分かもしれない。
というのが妥当な情勢判断だと思うのですが、それではいけない、このままでは解決が間に合ってしまう、と考えて、列車の走行速度を上昇させている者が居ると私は思う。
例えば地球温暖化問題がこじれているのは、そいつらのせいだ、と私は思います。
誰がそんな事をするのか。
それは、人類の隅に置かれた連中です。
人類の隅に置かれた連中は、そんな人類なんて無くなってしまえ、と思います。
いや、自分達の恥が晒されたまま永続するなんて耐えられないから人類には滅亡してもらわないと困るのです。
この悪を摘発する必要が有ります。

太陽の寿命という問題もあり、これによる人類滅亡の問題を解決するのは、資源の枯渇やゴミ処理の限界の問題を解決するよりもはるかに困難です多分。
でも、この問題の猶予期間は、その分長い。
そのものすごく長い時間の間に解決できればいいので、これも解決できるかもしれない、という事にやはり成るのです。

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参考:
08日@2014年08月