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2019年02月22日(金曜日)
次世代の世界一の天才へ(2)

(3a) 厳密な意味での世界一の天才が自分である確率は小さ過ぎて無視できるが、業績で当代世界一に成るのが自分である可能性は無視できない。
厳密な意味での世界一の天才は全くの先天的な生物学的属性で決まる事なので、人類の全人口が数十億人である以上、自分がそれである確率は数十億分の1です。
これは小さ過ぎるので誰にとっても賭けない方が賢明です。
本当は、そういう厳密な意味での世界一の天才が発掘され人類の頭脳の中心として機能する様に社会を整える必要が有るのですが、現状では未だ環境の悪い場所に生まれてしまう人口がほとんどです。
だから、運よく環境の良い場所に生まれた人には、その中に限れば自分が生涯業績で首位に成る事に賭ける方が賭けないよりも得である人が居ます。
それが自分ではないか、という事は誰もが考えなければ後悔する事です。

(3b) 自分が世界一の天才かどうかは、自分で判断する事です。
自分が世界一の天才なのかどうかは、自分と他の多くの人を比較して、自分の目で判断するしかない。
それはあなたにとってあまりに重要すぎる事なので他者に任せるわけには行かない、からです。
他者に任せれば任された人は、他人事だと思って無責任な答え方をしたり、本当の事を認めたくないからウソをつく、かもしれません。
かもしれません、ではなく、そういう他者がほとんどです。
また、自分だから分からない自分の事が有る一方で、自分にしか分からない自分の事も有ります。
自分で判断して間違えたなら、それは不条理ではないから、仕方が無い、自業自得なんだ、自分はベストを尽くした、という風に諦めが付きますが、他者の誤った判断に従ったなら、悔やんでも悔やみ切れません。

(4) 人間業とは思えない様な極端に優れた能力は、ほとんど全て後天的に獲得された物である。
自分が世界一の天才であるか否かを判断するに当たって、人間業とは思えない様な極端に優れた能力を持つ他者をマスコミ等を介して目にして、本当の天才とはああいう人達なんだ、自分の才能は全然足りない、という風に早合点するのは間違いです。
発信者は受信者に、そういう早合点をさせて、諦めさせる事を狙っていますが、その手に乗らないで下さい。
見る人を驚かせる様な極端に優れた能力は、たいていは訓練や学習によって後天的に獲得された物であり、先天的な才能の個人差を示すものではないからです。
空手では、コンクリートブロックを素手の拳で打ち砕く人が居ます。
ソロバン教室で訓練される暗算能力なんかも人間業とは思えないほどの驚くべき高い能力です。
練習すれば誰でも必ず出来る様に成る、とまでは言えないかもしれません。
レベルが上がれば上がるほど、そのレベルに到達できる人数は減って行くでしょう。
しかし、誰かに出来る事はあなたにも出来るし、あなたに出来る事は誰にでも出来る、という事が、かなりの程度まで言えるのは事実です。
それは人と人の違いは、幾ら大きくとも犬と人の違いよりはハッキリとはるかに小さいから、ヒトであれば誰でも基礎と成るハードウェアがほとんど同じだからです。
したがって、差が出るのは、最初に行なったか否か、の違いだけです。
大脳の働き、特に哲学が重要である事と考え合わせると、特に、過去に誰も思い至らなかった重要な事を最初に考え出して他者に教えた、というのが天才を識別するチェックポイントです。

(5) 世界一の天才を決めるのは測定に馴染まない能力です。
ステレオタイプな認識として既に、
左脳 vs 右脳
clever 対 wise
といった構図が存在していますが、私はその事を言っています。
左脳の機能やcleverさは、右脳の機能やwiseさよりも、測定が容易で、また蔑視されます。
私は世間一般で言われているよりも左脳も大事だと考えていますが、それでも世界一の天才はcleverさが首位の人ではなくwiseさが首位の人だ、と考えます。
大脳の働きの中でも哲学が最高位だ、とは、そういう事です。
そしてその様な能力は、才能、能力、業績の階梯において、才能の測定(例えば知能指数テスト)でも能力の測定(例えば東大入試)でも首位性が検出されず埋もれたままで、業績の段階に至ってやっと首位性が顕在化する、といった性質を持っていると思います。
本当の賢さは、いわゆる頭の回転が速い、という事とは違う、という意味の事が西澤潤一さんの「十年先を読む」という本に書かれていたのを思い出します。
同感です。
マスコミ等で見かける人間業とは思えない様な極端に優れた能力というのは、そういう意味でも、世界一の天才を決める能力とは種類が少しズレているのです。
誰でも言える事を誰よりも早く言えるのではなく、一生かかっても誰も気付かない事を一生かければ気付く事が出来る、それが世界一の天才です。