p94 |
山田の話を要約するならば以下のようになる。
・・・さらにそのクーデターには膨大な資金が動き、・・・
それ故、これらの潤沢な資金と「影響力の大きい人々・組織の力」が最大の原動力となって、・・・ |
p95 |
・・・だいぶ金がかかってるんじゃないかな。それに選手や指導員を引き抜くのに億単位の金が動いてるとも聞いてるよ。
・・・彼はもちろん極真の経験なんてないしキックしか知らないはずなんだ。それなのに、いつの間にか北海道で正道の支部長やってるみたいよ。
1982年10月、第1回全日本選手権を、・・・なんか胡散臭いところも満載だったけどな。 |
p96 |
・・・危ないお金とか、いろんな力が絡んでいるに違いないぜ
石井っていう人、・・・芦原道場の支部長っていうのオカシいよね、芦原道場が大阪の難波にあったのは知ってるけど、そこを支部とは芦原さん言ったことないし、そんなことどこにも書かれていない。なんでこんな無名の人が自分よりずっと格上だった中山猛夫や伊藤浩久、前田らの上に立てるのか、それだけでどうも胡散臭さを感じてしまうんだよ
・・・知ってはならない大きな闇が存在するように思えてならなかった。 |
p97 |
噂では裏社会が関与して韓国のブラックマネーが大量に流れ込んだとか、得体の知れない宗教団体が絡んでいるとか、・・・
・・・とんでもないお金と、とんでもない力が動いたっていうのは、誰が見ても分かるじゃん。そんでそのリーダーが、つい二年前まで誰も知らなかった石井和義だっていうのも納得できる話じゃないよね。 |
p101 |
そして、冷静を装いながら石井は言った。「・・・大阪の支部も神戸の支部も実質的には僕が作ったようなものであり、一指導員として、また支部長として後輩たちの面倒をなんとかして見なければならないと考えました。・・・」 |
p103 |
石井の先輩格にあたる前田比良聖は本書の取材にこう答えた。「・・・当時石井さんが空手部や同好会の大学生たちに慕われていたのは事実です」
石井は選手としての実績は皆無であり、・・・ただ、後輩に対する面倒見の良さや指導の上手さにおいて定評があったことは否定できない。だからこそ、各大学の同好会をまとめることができたし、少なからぬ後輩たちが彼を慕っていたのもまた事実と言える。 |
p108 |
話の突破口を開いたのは、当時の高知支部長だった三好一男である。彼は正道会館が開催する全日本選手権が、度を超えた極真のコピーであると発言した。・・・大山に向かって力説する三好に、多くの若手支部長が賛意を表した。 |
p111 |
清川(哲夫)は続けた。「・・・石井さんは大阪を中心に関西で指導員をしたり、芦原館長が来ると鞄持ちをしたりマネージャーみたいなことをしていたんですが、・・・」
石井さん一人であれだけ大きな正道会館を作れるはずないんですよね。 |
p113 |
そんな彼女(番場葉子)が「芦原門下生クーデター騒動」の話になると、血相を変えて正道会館に対する不満を口にした。・・・「・・・石井なんていう人は芦原先生の鞄持ちをやっとっただけの人やん。石井さんが大阪道場の支部長でも師範代でもあったことは一度もないと、はっきり言えるわ。・・・」
・・・前田(比良聖)はこう述べている。「芦原師範のもとを離れて以降、石井さんはメディアに対して芦原門下の大阪支部長、または大阪の師範代、大阪支部を設立したと語っていますが、それらは全て事実ではありません。・・・石井さんは芦原道場の職員でしたが、支部長でもなければ師範代だったこともありません。」 |
p115 |
正道会館に移籍すれば、現在初段でも四段位、または五段位の認可を与える。支部長準備金、または支度金として百万円を与える。それが石井の条件であり、もし断れば道場運営ができないようにする、具体的に伊藤は大阪湾に沈めると言われたと語った。 |
p116, 117 |
ところで、この石井のヤクザめいた発言だが、後年私の部下がK-1の取材で石井のもとを訪ねた時、彼は開口一番「K-1を悪く書いたら東京湾に沈めたるで」と語っている(石井の言葉はしっかりとテープに録音している)。また、私に対しても、石井は突然電話をかけてきて「なめたことしとると、今から若いもん五、六人送るぞ。何するか分からん奴らや」と脅し文句を吐いた(これも録音テープが残っている)。
石井がこのような威嚇・脅迫とも言える言動を常に口にしていたのは多くの関係者が語っており、伊藤への脅しもあながち伊藤の言い訳とは受け取れないだろう。
この石井の口癖について、佐竹が『まっすぐに蹴る』のなかで触れているので紹介しておく。
《雑誌などに批判的なことを書かれると、その記事を書いたライターを呼び出して「ぶっ殺すぞ」なんて言っていました。・・・》 |