since 2003
イレコナビ サイトマップ
< 日記 >
< 2013年02月 >
< 07日 >
2013年02月07日(木曜日)
正当防衛の論理
時間も無いし、くたびれているので、後の参照の為に、大雑把に書きます。
最終結論ではありません。

正当防衛は報復よりも正当性が大きい。
違法か合法かの境界線は、両者の間にある。
正当防衛は、相手の違反行為による被害の発生予定時刻よりも前に行われ、報復は、相手の違反行為による被害の発生時刻よりも後に行われる。
また、報復は八つ当たりよりも違反度が低い。
三つの行為の違反度の序列は、防御目的の攻撃 < 報復 < 八つ当たり、と成る。

正当防衛は、考え方としては、相手による先手性の違反行為の被害を免れるために必要な行為のうちで相手にのみ損害を与える(第三者に全く損害を与えない)ものは正当だ、というものだ。
たとえ、相手による先手性の違反行為の被害を免れるために必要な行為が、先手で行われた場合に違反行為であってもだ。

現行法の正当防衛は、相手による先手性の殴る蹴る等の攻撃の被害を免れるために必要な殴る蹴る等の攻撃、を正当だとするものだ。(私は、この意見には賛成だ)

この事と、相手の声や相手が出した音を録音する事や相手の様子を写真やビデオに撮る行為は殴る蹴る等の攻撃よりも違反度が低い事、を組み合わせると、相手による先手性の殴る蹴る等の攻撃の被害を免れるために相手の声や相手が出した音を録音する事や相手の様子を写真やビデオに撮る行為、は十分に正当である事、が言える。

正当防衛に該当する行為を具体的に挙げられて、それを善い事か悪い事か、と聞かれて答えに窮した事があった。
「善い」「悪い」では答えられない。
まず第一に、「善い」という言葉はピッタリではない。
「仕方ない」とか「やむを得ない」と言うべき。
さらに、防衛者が、手を汚させられた、という被害を受けているので、この問題を単に、防衛者の行為は許される行為であり、その行為によって被害は防がれたので、何も無かったのと同じだ、とするのは、不当に先手攻撃者に味方する揉み消しだ、という意味でも、「善い」「悪い」で答えて済ませるわけには行かない。
こういう事情を私は、善い悪いの問題ではないのだ、という言葉で表現する事があるが、これを、善悪とは別の基準(優劣や損得など)で測れ、という風に主張するものと曲解されている気配を感じて、その事がずっと気に成っていた。

本件は、私の見解であって、これが正当的な法解釈と一致するか否か、は知りません。