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| 2012年01月30日(月曜日) | ||||||||||
| 貨幣動力学の2体問題 | ||||||||||
| 世界のお金の総量の問題を解決するために、2人が貨幣1個を用いて取引を繰り返す状況、を考えてみる。 お金の総量の問題とは、貨幣が債券ならば返済によってそれが減少しないのは変だ、という問題の事だ。 その2人を、A,Bとする。 最初、Aが手袋を持っていて、Bは何も持っていない、とする。 次にBが、有担保または無担保で、Aから手袋を借りて、債券として貨幣1個を鋳造してAに渡したとする。 次にAが、その貨幣で手袋を受け戻し(購入し)た、とする。 さて、この時点で、手袋は持ち主であるAの所に戻っていて、債券と債務は消滅している。 しかし、貨幣を持っているのはBだから、見かけ上Bが債券を持っているかの様な状況に成っている。 実際には債権も債務も消滅しているのに、Bが債券を持っているかの様に誤解すると、さらにBはAから手袋を購入(受け戻す事が)できる様に見えてしまう。 たぶん、経済循環機関と個人の取引として私が説明した債務の減らない永久に続く貸借は、この様な誤解だろう。 2人の場合に話を戻すと、BがAから手袋を購入する事は、違反ではないが、その意味は「受け戻す」ではなく「借りる」だ。 つまり、これは、BがAに、悪いけど手袋をもう1回貸してくれないか、と言うべき状況だ。 つまり、一見同じに見える貨幣での購入という行為の中には、「受け戻す」と「借りる」という意味的に異なる2つの行為がある様だ。 この事から、現代の巨大な経済循環機関においても、貨幣での購入行為には、その2つがある、と思われる。 これで一応、お金の総量についてのパラドクスらしき疑問は、解消した。 この視点で2012年01月16日の記事と2012年01月17日の記事で説明した無限ループ状の連鎖取引を眺め直してみると、購買が受け戻しの意味を持つのは、基本的には、貨幣への信頼が失墜して担保を受け戻す場合だけで、ほとんど全ての取引では購買は「借りる」の意味を持っている事に気付く。 今までは、与益して貨幣を得る事を「貸す」として、貨幣を支払って受益する事を「受け戻す」として、認識して来たが、これで、貨幣を支払って受益する事は「借りる」に当たるらしい、と分かった。 ただし、何かを貸した後でそれと同等の物を受け戻す事、に比べて、何かを貸した後で受け戻さずにそれと同等の物を借りるだけ、というのは、その貸した人の譲歩であって、「借りる」だから他者に譲歩させている、という事は無い。 さて、お金の総量は何を意味するか、という問題に戻ると、どう成るだろうか? 複雑な又貸し構造を考える事に成るのか? やはり、購買を「借りる」と解釈するのは間違いなのかも。 2体問題には無い含蓄が、無限ループ状の連鎖取引には含まれていそうだ。 パラドクスは2体問題で解消したが、購買=借という結論を出すには、2体問題を検討しただけの現段階では、まだ早い様だ。 |
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