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2011年08月28日(日)
「・・・がしていただく」も、そうだ
日記の2005年04月25日の記事にも書いたことだが、いつ頃からか、相手を主語に持って来て「・・・がしていただく」という言葉使いが目立つ様に成った。
元来「いただく」という言葉は、何か物品を与えられた時に、与えられた人が、与えた人への敬意を表するために自分を低めて、与えられた事を指して、「いただいた」という風に使うものだ。
つまり、「いただく」という言葉は「与える」という意味ではなく「与えられる」という意味であり、「いただく」という言葉を使うと主語が低められる。
授受内容が物品ではなく行為である場合には、「していただく」が用いられるが、これも、行為者への敬意を表するために話者を低める表現だし、その行為をする事ではなく、その行為の益を受ける事を意味する。
したがって、例えば「今日はあなた掃除をしていただきます」は文法エラーだ。
「掃除」という行為をするのは「あなた」で、その益を受けるのは話者だからだ。
「今日はあなた掃除をしていただきます」なら良い。
「あなた掃除をしていただきます」では、「あなたが、誰に?」って事に成ってしまう。
こういう誤用からも、その根にしつこい悪意が存在する気配を、感じる。